脳が活発に働くために重要な認知機能は、何もしなければ早い段階から衰え始めることが分かっています。アメリカ国立衛生研究所は、認知機能の維持には、「頭を使うこと」「野菜、魚の多い食事」「運動」「レジャー」が役立つと報告しています。
頭を使う方法としては、ワーキングメモリーといって、脳の中にあるメモ機能を使ってあげるトレーニングがおすすめです。まずは下記の6つを暮らしに取り入れてみましょう。続けているうちに、脳がいきいきと活性化してくるはずです。
口の健康が損なわれると、食欲不振や精神不安を招き、体調不良になります。「目は心の窓、口は健康の窓」といわれる所以です。また、口への刺激は、脳の働きと綿密な関係にあり、ボケ防止の効果もあります。
脳への影響は、手・頭(特に口)・続いて足の順です。昔、お年寄りが手にクルミを2個ずつ持ち動かしていたのは、手を使うことが脳を刺激し、頭を生き生きとさせることを知っていたからです。
口を使うことには、食べる・話す・歌う・笑う・ブラッシングするなどがありますが、食べることで脳の2/3が働くと言われています。食べるという行為は、目で見て、匂いを嗅ぎ、唇で取り込み、歯で噛み、唾液が分泌され、舌で味わい、噛む音まで楽しみます。これらの行為で顔全体の筋肉が動き、脳への血行がよくなるのです。アゴを動かす筋肉は胸までつながっており、飲み込む時には足の裏まで力が入ります。噛む刺激で胃や全身の細胞が目覚め、心も生き生きとなるのです。
毎朝、朝ごはんを食べ歯を磨くことは、単に栄養補給というだけでなく、頭を目覚めさせ、意欲的な活動を始めるために重要なことなのです。介護の現場において、飲み込む力が衰えた方に食べさせることは、特殊な技術や訓練が必要です。
どうしても必要な場合もありますが、鼻からチューブを通し栄養ドリンクなどを流し込む方法が安易に行われている場合が見受けられます。しかし、これでは大脳への刺激が少なくなります。要介護者が口から食べられるようになると、顔が生き生きし、目も輝いてきます。噛んで食事をする大切さがよく分かります。
介護でも口腔ケアは、ただ清潔にするという目的だけでなく、脳を刺激させるという役目も果たしています。食事の前に行う口腔ケアは、唾液分泌や胃液分泌を促し、吸収力をアップさせているのです。
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