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カイロプラクティック

歯の噛み合わせはとても大切で、かつデリケートなものです。噛み合わせ不良が長く続いた人では、その影響で首や背中の骨がゆがんだ状態となってしまっています。このような状態では、顎も背骨もゆがんでいるため、顎の治療(=噛み合わせ治療)と背骨の治療(=カイロプラクティック治療)を同時に並行してすすめることが望まれます。

 

 

現状では歯科治療とタイアップできるカイロプラクティック治療家がきわめて少ない状態ですが、カイロプラクティックの名治療家に定期的に来てもらい、文字通り体全体をそろえながら、より完璧な噛み合わせ治療をめざしています。

 

「歯科とカイロプラクティック、何が関係あるのか」と疑問に思われる方も多いかもしれません。現在の日本には、カイロプラクティックに関する公的な資格が存在しないため、カイロプラクティックに対する正しい情報がなかなか得られません。それ故、不安に感じられるかもしれません。

 

 

カイロプラクティックは、アメリカにおいてダニエル・D・パーマーによって1897年に始められました。「万病のもとは脊柱の異常からくる」という古代医術の考え方を近代医学的に検証し、脊椎矯正を始めました。日本では、「あんま指圧マッサージ・針灸・カイロプラクティック」と列記した治療院の看板が多いので、カイロプラクティックを東洋医学のひとつと勘違いしている方もいますが、違います。

 

 

ところで、最近、長坂斉先生のセミナーを受講し、改めて歯科とカイロプラクティックの関係を認識させられました。長坂先生によれば、「歯のかみ合わせが悪くなると、頭痛、肩こり、腰痛などの他に、耳鳴り、難聴、めまい、立ちくらみなどの耳症状がよく見られる」そうです。

 

 

それらの症状は、上部頚椎に歪みがある場合に見られる症状でもあります。カイロプラクティックの始まりも、耳が聞こえない患者の治療でした。ダニエル・D・パーマーは、自分のもとで働いている男性が「背中の障害とともに耳の障害が始まった」ことを聞いていました。

 

そこで、患者の背中を診たところ、脊椎の一部が盛り上っていたので、それをもとに戻したところ、背中の痛みが去り、聴覚も戻ってきました。これが、カイロプラクティックの始まりです。

 

 

また、歯科とカイロプラクティックの深い関係を示す事例は、他にもあります。グゼイは、1952年に下顎の運動が、頚椎の正中環軸関節を中心に行なわれるというQuadrant理論を発表しています。

 

それによると、下顎運動がスムーズに動かない、あるいはかみ合わせが誤っている場合、噛む力のすべてが運動の中心に作用し、頚椎に力を及ぼします。下顎の運動システムは、下顎に対する頭蓋骨そして頚椎、この3つの構成要素のすべてが含まれ、それらの協調運動なのです。


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