口腔外科領域において慢性硬化性下顎骨骨髄炎は難治な疾患の一つであるが, これまで経験した慢性下顎骨骨髄炎の細菌学的検査の結果から硬化性骨髄炎が嫌気性菌感染症による疾患ではないかと疑われた。このことを明らかにすべく, 厳密な嫌気条件のもとに細菌培養を行なったところ, 慢性硬化性下顎骨骨髄炎5例の全例から偏性嫌気性菌Propionibacterium(P.acnes)が単独で培養分離され起炎菌であることを疑わせた。そこで, 分離されたP.acnesを用いラット頭頂部に移植した自家脛骨および同種脱灰骨に注入する方法により感染実験を試みたところ, 自家脛骨移植群のなかで移植前にP.acnesを腹腔内に注射し感作させた群の全例に骨髄内での骨形成が認められ硬化性骨髄炎様の所見が得られた。また, この感作した移植群の9例中3例からP.acnesが検出された。P.acnesは抗原性や, Adjuvant活性が強いことから免疫学的な作用の強い細菌として知られているが, この実験結果から慢性硬化性下顎骨骨髄炎がP.acnesを抗原とした細胞性免疫による遅延型アレルギーが関与していることが推察された。
慢性下顎骨骨髄炎の根管治療としては、化膿型は、腐骨除去や顎骨内の肉芽組織などの外科療法で治癒することが多いですが、硬化型は、急性期には抗菌剤、抗炎症剤の投与により急性症状の改善をはかり、薬物だけで消炎しないときや、慢性期には、外科的治療として皿状形成法を行い、硬化性病巣の一部除去や血行の改善をはかることにより、外科的消炎や病変の改善をはかります。
また硬化型は、骨硬化の病変の範囲により限局型とびまん性のものに分類され、びまん性硬化型骨髄炎のほうが臨床的に問題となることが多いものです。硬化型は根治が難しく、急性炎をときどき繰り返して、数年から数十年の長期にわたるものみられます。
慢性顎骨骨髄炎は難治性疾患で、その治療に苦慮するのが現状です。抗菌剤静脈投与、高圧酸素療法、皮質骨除去術や、灌流療法(かんりゅう療法)などが併用して行われています。しかし、場合によっては、顎骨切除や血管柄付き腸骨移植などの再建手術が行われることも稀ではありません。超音波スケーラーは大事です。
一般的に下顎骨骨髄炎は難治性です。原因歯及び原因病変に加え、腐骨などの壊死組織、肉芽組織、排膿路などが認められれば、十分に除去、掻爬を行い、あわせて抗菌薬の投与を病状に応じ、時には長期的に行うのがスタンダードな治療です。病変が限局された症例、特に化膿性や腐骨形成性では、これだけで治癒する場合もあります。しかし、それだけでは奏功しない症例も多く、続いて皮質骨除去術、顎骨切除術などの外科的治療や、抗菌薬の動脈内注入療法、高圧酸素療法などが行われます。なかでも、びまん性硬化性下顎骨骨髄炎はもっとも難治症例になりやすく病脳期間も長引きやすいものです。施設によっては、そのような症例に対して、皮質骨除去術と抗菌薬の動脈内注入療法を組み合わせた治療法を行い、良好な成績を収めているところがあります。
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