「食事の後には歯を磨きなさいと」。こう言われて育った人は少なくないはずです。だから、『食事』=『お口を汚すこと』と考えている人も多いのではないかと思います。
でもそれは間違いです。実は、唾液中に含まれる細菌の数は食事の後には激減します。これは、食べ物を咀嚼することで大量の唾液が分泌され、口の中の細菌が食べ物と一緒に井の中に流されるからです。
「食べ物の残渣という点で見ると食後の口の中では食べかすが増えますが、口内細菌の数の点で見れば口腔内はむしろきれいになる」と言えます。
だから口の中をきれいにするには、「食後の残渣が残りにくい食べ物を選ぶ」ことと、「良く噛むことが出来て、しっかり唾液を出させる食べ物を選ぶ」ことが大切です。つまり食事こそお口の環境を整える第一歩という事なのです。
歯周病をそのまま放置しておくと、食事も満足にとれなくなります。歯周病が進行すると歯がぐらついたり、歯を失ったりなどして食べられるものが限られてしまいます。そのため軟らかい物ばかりを食べるようになると、血糖値が食事の後に急激に上昇する状態(食後高血糖)を起こしやすいといわれます。糖尿病も歯周病もどちらも生活習慣病です。同時に歯科材料治療を受け、健康を保つよう心がけてください。
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