基本と美人歯科医
自動の音波振動など高性能で便利な電動歯ブラシ。だが、少しでも使い方を間違えると、せっかく手入れした歯を傷めかねない。「むやみに動かしてもダメですよ」というのは、“元祖アイドル歯科医”の中田彩先生。電動歯ブラシ「使用上の注意」をやさしくレクチャーしてくれた。
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食べ物を食べると歯が「キーン」としみると訴える人が増えています。これは不適切な歯磨きで歯が削れたり、歯茎が下がることによって起きたりする「知覚過敏」という症状です。最近、この知覚過敏に悩まされる人に聞くと、電動歯ブラシを使い始めたばかりの初心者が多く見受けられます。
電動歯ブラシを使っている皆さん、「取扱説明書」をもう一度よく見てください。ブラシを歯に強く押し当て、ゴシゴシと激しく動かす磨き方はしないでください――と書いてありませんか?
手磨きしていた頃のクセがつい出てしまうのは分かりますが、やさしくケアしないと歯茎を傷めてしまうのです。もともと歯周病など歯茎が過敏になっている人は、なおさらソフトな磨き方をしなければなりません。
また、電動歯ブラシの振動があまりにも気持ち良すぎるからといって、つい長時間磨いてしまったり、1日何度も磨いてしまったりする人がいますが、これも厳禁です。
1日の電動歯ブラシタイムは朝昼晩の食後3回が基本。1回の行為にかける時間は右の上下、左の上下の歯でそれぞれ30秒ずつ。合計でも3分以内でフィニッシュさせてください。テレビを見ながら、お風呂に入りながらの「ながら磨き」をゆっくり楽しみたいという人は、電動は早めに切り上げて、手磨きと併用してください。
あと、皆さんが忘れてしまいがちなのが、歯磨き粉の選び方です。手磨き用の歯磨き粉には研磨剤が配合されている商品が多いので、それを電動歯ブラシに塗って使うと、歯が削れてすり減ってしまう場合があります。もちろん知覚過敏の原因にもなりますので、電動歯ブラシ専用の「研磨剤フリー」、中でも私はジェルタイプをオススメします。
さらに、電動歯ブラシは細かい振動のせいで、歯磨き粉が泡が立ちやすいのも難点です。泡がたくさん出ると、よく磨けていないのに終わったつもりになってしまうのです。だから、歯磨き粉を選ぶときは「低発泡タイプ」を選ぶと、口の中が“モコモコ泡泡”しませんよ。
最後に、これから電動歯ブラシを使いたい皆さんへの心構えをひとつ。面倒くさがり屋さんで、お部屋の掃除も満足にできない人がいきなり『ダイソン』製の掃除機を買っても、その効果を発揮させることはできませんよね。電動歯ブラシもいわば『ダイソン』のような存在。勝手にクルクル回って掃除してくれる『ルンバ』とは違うんです。
自分の意思とやる気、そしてテクニックがなければキレイにはならない道具だということを、忘れないでくださいネ。
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