シェーグレン症候群によるドライマウスと診断して、本薬剤の投与を行った51例の治療成績を紹介する。
性別は男性2例、女性49例で、平均年齢は65.8歳(34?84)であった。平均投与期間は22.7週(6? 37)であった。投与量は90mg/日または60mg/日とし、90mg/日例は15例、60mg/日例は36例であった。3か月以上投与を行った37例の唾液分泌量増加率は平均117.2%で、59.5%に唾液分泌量の改善がみられた。
増加は投与後2週ぐらいから現れ始め、4~6か月ぐらいまでみられた。しかし、効果が現れ始めるまでの期間は症例によりばらつきがみられた。
自覚症状は64.8%で改善がみられた。自覚症状の中で夜間乾燥感と舌のざらつき感は最も遅くまで残り難治性を示した。他覚所見は81.8%で改善がみられた。他覚所見では舌苔と舌乳頭の萎縮が多くみられた。唾液分泌量増加率と自他覚症状改善度を合わせた有効率は75.7%であった。
副作用は51例中18例、35.3%に延べ26件がみられた。26件中23件は消化器症状で特に嘔気・嘔吐は18件で最も多くにみられた。嘔気・嘔吐は投与開始直後からみられ、2週間ぐらいすると消失する傾向があった。そのため、私は投与開始直後に軽度の嘔気がみられても患者が我慢できる程度であれば継続投与を指示し、しばらくすると消失することを説明している。しかし、中等度以上副作用が出現した7例は投与を中止した。7例中4例には嘔気または嘔吐がみられ、1例には下痢と縮瞳、1例には軽度のめまいを伴うふらつき、1例には軽度の嘔気を伴う味覚異常がみられた。下痢と縮瞳がみられた1例を除く6例の症状は本薬剤の服用開始後1?2日以内に発現し、その後は2時間程度継続して消失した。これらの症状は投与中止により消失し、再燃は認められなかった。
このため、嘔気・嘔吐の対策が必要になる。本薬剤による消化器症状はムスカリン受容体刺激によるものでいわゆる慣れを示すことが多い。実際に自験例においても投与開始後2週間ぐらいすると消失する傾向がみられた。そのため初回投与量を60mgとしてムスカリン受容体刺激を抑え、1か月以上経過を観察した後に増量する試みを行った。また、各種消化器官用薬併用して嘔気・嘔吐の出現を比較した。
比較は塩酸セビメリン90mg/日群(A群)、塩酸セビメリン60mg/日群(B群)、塩酸セビメリン60mg/日+ドンペリドン(ナウゼリンR)20mg/日群(C群)、塩酸セビメリン60mg/日+塩酸ピレンゼピン(ガストロゼピンR)50mg/日群(D群)、塩酸セビメリン60mg/日+マレイン酸トリメブチン(セレキノンR)200mg/日群(E群)で行った。各群別ではA群47.4%、B群33.3%、C群28.6%、D群13.3%、E群10.5%であった。
この結果より嘔気・嘔吐の対策として初期投与量を60mgとして慣れた後増量するか塩酸ピレンゼピンやマレイン酸トリメブチンの消化器官用薬を併用するのがよいと考えられる。しかし、塩酸ピレンゼピンは唾液分泌を抑制する作用もあるので注意を要する。
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