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タバコと歯の関係

 「あなたの健康を損なう恐れがありますので吸いすぎに注意しましょう」とはタバコのパッケージに書かれているコピーですが、喫煙は、歯や口腔にも直接的に影響を及ぼします。 

 

ヤニで歯が黄ばむという理由で、ヤニ取り効果の高い歯磨き粉を使っている方や、歯科医院で、歯のクリーニングを行っている方もいらっしゃると思いますが、タバコの影響は見た目の色についてだけではありません。

 

まず、タバコの成分は歯に歯垢をつきやすくします。歯ブラシが届きにくい所にタールが付着し、その付着したタールに食べかすなどが付くため、口の中が不潔になり、ムシ歯や歯周病の原因となる菌の活動が活発になるからです。 

 

また血管を収縮させるので、血液循環が悪化し歯周部が栄養不足となります。他にも免疫機能の低下、歯周病の快復に働くビタミンCを壊す、などの影響があります。

 

喫煙習慣のある人の歯茎は黒っぽく硬く厚みを帯びています。そして歯周炎になったとしても歯茎の腫れなどはなく、ブラッシングで出血することもないので、一見、問題はないように感じてしまいます。これは、歯肉が強くなっているわけではなく、免疫機能の低下で炎症が起こりにくくなっているのです。

 

すなわち抵抗せずして、歯周病菌の侵入を許しているということなのです。その結果、歯周病が隠れて進行して、気づいたときには、症状もかなり進んでいた、ということになりかねません。 

 

歯周病と喫煙の関係については、ヘビースモーカーの人は、喫煙習慣のない人に比べて、ひどい歯周病になるリスクが、5倍から7倍も高く、進行も平均して20年早い、というデータもあります。

生活習慣を変えることは容易ではありませんが、最近では、その人にあった様々な禁煙方法がありますし、保健所の禁煙教室や医師・歯科医師による禁煙サポートも充実してきました。

歯や口腔への害を考慮してというよりも、全ての生活習慣病(がん、心臓病、脳血管障害、動脈硬化、高血圧症、糖尿病、骨粗鬆症、歯周病)に悪影響があるといわれるタバコをこれからも続けるかどうか、考えてみる機会にしていただけたら、と思います。


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