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歯並びのよい子

 歯並びのよい子に育てるには、口を閉じてしっかり咀嚼できるようにすることが基本です。正確な機能が、正常な形態を形成します。よく噛まない子は、あごの骨が充分成長せず、歯並びが悪くなります。幼児期には、多少噛みごたえのあるものを食卓に並べるのがよいと思います。

左右どちらかに虫歯があると、そちら側で噛まなくなり、あごの発育が左右非対称になることがあります。また、鼻が詰まって口呼吸する癖がつくと、上あごの前歯が前突していわゆる「出っ歯」になります。

 

逆にのどの扁桃が大きいと下あごを前に出すようになるので「うけ口」になりやすくなります。そのほか指しゃぶり、唇を噛む癖、爪噛み、タオルしゃぶり、くいしばり、舌を突き出す癖など、いろいろな習癖が歯列不正の原因となります。 

 

このような習癖は、すぐにでもやめさせたいところですが、無意識に行う習癖をやめるのは非常に難しいことです。やっているのを見つけて叱ったり、脅してもやめられるとは考えられません。

 

基本的には、子供自身がやめることが自分に必要だと認識し、その決意をするまで待たなくてはなりません。やめようと努力し始めたら、精神的にバックアップしてあげたらいいと思います。きっぱりやめられなくても、多少でも、やる回数が少なくなったらすごいことです。ほめてあげれば、やめるようにもっと頑張るでしょう。

 

逆に「まだ赤ちゃんみたいなことをやって」と、屈辱的なことを言われたら、自分に自信を失い、自分はだめな人間なのだと劣等感を抱いてしまいます。これは心の成長にとって非常に危険なことです。歯も大切ですが、枝葉末節にこだわって子供の精神的な成長を損なうことをしてはいけません。子供の心に何か満たされないものがあると、悪い習癖がつくとも言われます。愛情一杯の環境ですくすく育ってもらいたいものです。

 

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