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詰め物と環境ホルモン

 いわゆる環境ホルモンとしてのビスフェノールAのことをお尋ねのことと思われます。環境ホルモンは、人体においては、女性ホルモンと同様の働きをし、精子の減少、メス化など、体内の機能をかく乱させる作用があると考えられています。NHKスペシャルや、民放、週刊誌等で歯科用材料から唾液中にビスフェノールAが溶け出すということが報道されたことを心配してのことと思います。

 

歯の詰め物ですが、金属の一部のものについて危険性があるものがあります。銀色の詰め物なのですが、そのうちの一部に「アマルガム」という合金を使用しているものがあります。その「アマルガム」の成分には「水銀」が含まれていて、噛み合わせた時などに、その水銀が気化して発生し、体内に蓄積されてしまうということのようです。

 

歯科用材料の中の、コンポジットレジンやシーラントと呼ばれる白いつめものの中に、ビスフェノールAが存在しますが、単独ではなく、ビスGMAと呼ばれる成分の1つとして存在しており、容易に溶け出すことはありません。

 

米国歯科医師会は、シーラント材からたとえごく微量のビスフェノールAが溶出されたとしても、血液中に検出されなかったとして、危険性もないとしています。日本歯科医師会は「現在市販されているコンポジットレジンおよび歯科用シーラント材のほとんどには、ビスフェノールAの存在は確認されず、たとえビスフェノールAが認められたとしても、血液中に移行しないということから、健康への障害は考えられない」とする、日本歯科医学会よりの報告を受け、安全性は確認されています。

 

ことの発端は「某全国紙新聞」による報道です。大阪大学大学院歯学研究所の研究発表をかなり曲折させてセンセーショナルに新聞紙上にのせたために問題となりました。くだんの環境ホルモンは日焼け止めのクリームにも使用されている物で、歯科でどんなに多く使用したと見積もっても人体にリスクがあると考えられる量の一億分の一であります。

 

当の大阪大学大学院歯学研究所からも「学会発表の全体像と新聞記事での言い回しとの間に大きな差異を感じ、発表者としては困惑を覚えています」と県警が出されています。新聞報道になってしまうと「それが正しい」と思いがちになってしまいます。困ったものです。

 

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