この世に生まれ出た赤ちゃんは、お母さんのおっぱいやミルクを飲んですくすくと成長します。だんだん外の世界に興味を持ち始め、手当たり次第にいろんなものを口にするようになったら、そろそろ乳歯が出てくる合図。一般的には6カ月ころから、下の歯ぐきにかわいらしい白い歯が頭を出します。 乳歯は、赤ちゃんが「自分で食べる力」を養う、重要な役割を果たします。「乳歯はいずれ永久歯に生え替わるから」と、ケアを怠ってはたいへん。なぜなら乳歯は、子どもの噛む力や食べる力だけではなく、骨格や容貌、発音までをも左右するからです。
乳歯は、永久歯が下から生えてくると、永久歯に押し出されるような形で、根の部分が次第に溶けてきます。永久歯はグラグラになると、歯を支える周囲の骨が溶け、歯の根は溶けませんが、乳歯の場合は、歯の根がほとんど溶け、頭の部分だけになってしまうため、グラグラになります。乳歯が簡単に取れない場合は、歯の根が溶けても、歯肉の繊維が乳歯にしっかりこびり付いたようになっているからです。
下の前歯が生えてきたからといって寝かしつけの授乳をやめる必要はありません。下の前歯だけならあまり気にしなくても良いと思います。上の前歯は下の前歯と違って、むし歯を作りやすいところです。就寝時の授乳は統計的にも、むし歯ができるリスクが高くなります。しかし、卒乳を早く勧めるものではありません。
乳歯の生える順番は、子供によって様々です。実に何十パターンの生え方があるとも言われています。最も多いパターンは前歯の下2本が最初に生え、次に上の前歯2本が生える順。この前歯は乳中切歯(にゅうちゅうせっし)と呼ばれ、この上下4本が起点になります。個人差はありますが1歳までには上下の前歯4本が生え揃います。早い赤ちゃんは1歳頃には前歯の両脇の乳側切歯も生え始めています。2歳になると奥歯が生えてきます。3歳頃には乳歯が生え揃います。しかし、歯の生える順番や生え揃う時期は個々で差があります。
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