歯髄は歯の神経で、歯の痛みを感じるのは主にこの歯髄です。歯髄には痛覚以外の圧覚や温度感覚は存在しないため、熱さ、冷たさは全て痛みとして感じます。
歯髄には痛みを感じるという役割以外にも象牙質の形成、歯への栄養の供給、炎症などの刺激に対する防御反応など、様々な役割があります。ズキズキする痛みが出てしまってから、歯髄を守るためには、患者さん自身が痛みに耐える必要があります。細菌によって軟らかくなった穴の底の象牙質を除去すると歯髄が露出してしまうことがあります。歯髄が露出しても歯髄からの出血が止まって、痛みががまんできるようなら歯髄の表面を保護して経過をみることができます。超音波スケーラーは必要です。
もし、患者さんと歯科医との信頼関係が十分にあれば、痛みを我慢し、いったん軟らかくなった組織を残して殺菌し、蓋をして二〜数ヵ月経過をみてから、もう一度開けてみるというような慎重な処置も可能です。
多くの歯科医院では歯の神経と言い、むし歯で痛くなった歯を治療する時に歯の神経を取るといいますね。しかしこれは正確な表現ではありません。神経と呼ばれるものは正しくは歯髄(しずい)と言い、歯の象牙質に養分を補給している組織で、毛細血管の集合体です。
組織ですからその中には当然神経も存在します。虫歯などで歯髄まで穴が開くと、ばい菌が入り、歯髄がばい菌に感染して炎症が起きます。炎症が起こると大抵の組織は腫れますが歯髄は固い歯の中に密閉されているために腫れることができません。その結果、内圧が高くなり、組織内にある神経を圧迫する為、血圧のリズムに合わせてズキズキと痛みが発生し、夜も眠れない状況へと移行していきます。
こうなると象牙質を柔軟に保っていくための補給庫である歯髄も痛みを取り除く為には切除する必要に迫られます。歯髄を取ってしまった歯は、栄養補給が受けられない為、時間の経過と共に枯れ木のようにもろくなり、色も黒くなっていきます。そして歯は噛むことが商売なので、歯髄除去後の適切な処置が施されていない歯は、その噛む圧力に耐え切れず、歯髄の無い歯は時間の経過と共に欠けたり折れたりしてしまうわけです。
虫歯が歯髄まで進行(C3以上)して歯髄が感染してしまうと、根管治療により歯髄を取ってしまわなければならないことがあります。しかし、歯髄を取ってしまうと歯への栄養の供給が行われなくなるので歯が脆くなり、歯の寿命は確実に短くなってしまいます。そのため、歯科治療を行う際には出来るだけ歯髄を残すように治療を行なうのが望ましいのです。
虫歯が歯の神経にまで達すると、歯の神経(「歯髄(しずい)」と言います)を取り除かなければなりません。子どもの場合には、歯髄の上層部だけを取り除いて下方部分は保存することもできますが、大人の場合は、歯髄の一部に虫歯が進行すると、すべての歯髄を取り除かなければなりません。歯の神経を取り除くこと(「抜髄(ばつずい)」と言います)はとても細かい作業で、完璧な治療を行うことが難しい場合もあるのです。
その理由には、歯髄の先端が細く曲がっていたり、閉鎖している場合に、治療する器具が根元の先端まで到達しないと、歯根の先に歯髄の一部が残ってしまい、何年か後に根元に膿をつくる原因になったりします。とくに大臼歯(だいきゅうし)などの奥歯の根元の形はとても複雑で、根元の形態によっては、治療が不可能な場合もあるのです。しかし、多くの場合はきちんと治療すれば、再発することはほとんどありません。
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