一般に歯の周囲はあごの骨で覆われています。その歯の根の先端部分の骨に膿の袋のような空間ができ、内部に膿を蓄えながら時間とともに少しずつ大きくなっていく病気があります。これを「歯根嚢胞 (しこんのうほう)」と呼びます。
歯根嚢胞その他の根尖病変の原因は、口腔内カメラで検査すると、根の先に棲みついた虫歯菌です。根の中や外側に塊で棲息する虫歯菌に対して、からだの抵抗力(免疫力)が働いて炎症反応が起こり、その結果根尖病変ができてしまいます。また、糖尿病や腎透析などでからだの抵抗力が低下していると、虫歯菌が顎の周囲の組織に拡大したり血液中に入り込んで全身に拡がり、敗血症となって生命の危険が生じる事態となります。このような危機を避けるために、からだの抵抗力が虫歯菌を根尖周囲の狭い範囲に閉じ込めてくれているのです。歯の神経が腐り、それが歯根の先に膿をつくり、そこから「袋状」になるとも言われているが、はっきりとはまだわかっていない。膿のままで終わってしまうものや、歯根嚢胞になるのがあり成因が解明されてはいない。根管治療は大切です。
明らかなことは、歯根嚢胞の原因は歯であり、その歯の神経は死んでいる、あるいは根の治療をしてなくなっているということである。
また、歯根嚢胞(歯根のう胞)が見られたからといって必ず治療が必要だと言うわけではなく、縮小傾向にあるようなものの場合には、そのまま経過観察をすることもあります。もしも以前行った根管治療の失敗が原因だと考えられる場合には、再度根管治療を行いますが、根管治療を行っても治療不可能だと考えられる場合には抜歯になります。
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