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歯根破折で抜歯の場合

歯が割れており、しばらく様子を見てから抜歯することになるといわれたという。"破折歯は抜歯"というのが標準的な処置になっているのは確からしいが、我が国ではかなり以前から、(歯科材料)抜歯せずに破折歯を接着して保存する処置を実践している歯科医がいることを知っているし、インターネット上でもそうした治療について言及している歯科医院もわずかではあるが散見される。 

歯の再植は外傷などで健全な歯が脱臼した場合に行う処置で、歯そのものに問題がある場合には適応外です。また、他の歯に対する感染等の心配は必要ありません。インプラント治療は健全な骨にチタン製のインプラントを埋め込む方法です。抜歯と同時にインプラントを埋入する即時埋入という方法もありますが、慢性炎症によって骨の吸収がある場合には不適です。したがって、ごく一般的な抜歯後、骨の治癒をまってから行う方法が最適だと考えます。インプラント治療には1回法と2回法がありますが、ブラッシングに問題がなければ1回法でもよいと思います。

【抜歯した場合】
1. 抜歯した後、そのまま
2. 部分入れ歯を入れる
3. 手前の歯を支えにして「延長ブリッジ」
4. インプラント(人工歯根)を植える 

【近心根だけを分割抜歯した場合】
1. 遠心根と手前の歯とで「ブリッジ」にする
2. 遠心根を単独で修復し、隙間を部分入れ歯・・・ にはしないか 

ここで問題なのが、折れてしまった歯が何とかならないものだろうかと考え、抜歯をためらい、時間が経過してしまうことです。破折したままの状態でいると破折した部分から感染が起こり、超音波スケーラーは必要で、周囲骨の吸収が起こります。骨の吸収が大きく起こるとその後にインプラントを埋入する場合に非常に不利な状態になります。もし、歯根破折と診断された場合には早期に対処(抜歯となることが多い)する必要性があります。 

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