歯科用ハンドピース等の使用後の消毒・滅菌についてはオートクレーブまたはEOGによる滅菌を原則とする一方、薬液消毒と十秒以上の空回転をすることと記載されていますので、これをガイドラインとするならば使用後にアルコールワッテで本体を拭った後、十秒間空回転すれば問題ないと解釈することも可能です。ただ、アメリカでは超音波スケーラーハンドピースの滅菌・消毒は義務付けられています。以下に、デンタルダイヤモンド1997年9月号の記事から歯科用ハンドピースの構造上の特徴とアメリカでのハンドピースの取り扱い状況についての記事を引用したいと思います。
エアータービンは、空気や水の噴出を止めるとこれらが逆流し、その際口腔内の唾液や血液あるいは削りかすを吸い込むことが指摘されている。感染予防ということで停止時に生じるヘッド内負圧による血液、唾液、切削屑などのタービン本体への侵入を防止するクリーンヘッドシステム、またカップリング内に内蔵され血液・唾液などが水スプレー回路に逆流することを防止する逆止弁機構などが設置されるようになっている。
しかし一番問題となる点はエアータービンヘッドの使用後の滅菌・消毒をどのように行うかである。日本では法律的にエアータービンヘッドの患者ごとの滅菌・消毒は要求されていないが、アメリカではキンバリー事件(*歯科診療所でのHIVの院内感染事故)以後、各州ごとに切削器具を含め、滅菌・消毒が義務付けられており、もし実態調査時に滅菌・消毒していないと開業停止となる。このため患者ごとに超音波スケーラーチップエアータービンヘッドは滅菌・消毒してから使用しなければならない。
2011年現在、日本の状況はといえばさすがにゴム手袋はほとんどの歯科医師が着用するようになりましたが、医療器具の滅菌に関しては残念ながらほとんど変化していません。相変わらずハンドピースを使用毎に滅菌している歯科医院はごく少数派です。義務化されていないのですから当然の成り行きではありますが・・・。
ただ、どうもこれでは気分が悪いというか、少なくとも個人的にはいただけない。なぜ気分が悪いかと言うと、ハンドピースの構造を知っているからです。上記の記事内にもありますが、ハンドピースはその構造上、回転を終了する時に僅かではありますが口腔ケア用品の切削粉や唾液を吸い込んでしまいます。10秒空回転したら、吸い込んだ汚物を全て排出して除去できるのか?これが歯科用ハンドピースの拡大図です。こうして見ると小さな穴がたくさんあるのがよくわかります。治療後、切削を終えるとこれらの穴から口腔内の切削粉や唾液、血液などがハンドピース内部に逆流するのです。
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