高尿酸血症の食事療法は、肥満の解消および予防を目的とした適正エネルギー摂取、尿酸の原料となるプリン体の過剰摂取制限、飲酒習慣がある場合は適正飲酒、尿酸の排泄を助けるために十分な飲水を行います。高尿酸血症は、尿酸が作られる量が多すぎる、もしくは尿酸が上手に排泄されないこと、およびその両方が重なることが原因となります。
人間の体の中では、新陳代謝によって細胞が分解されたりエネルギーを使うと、プリン体が作られ尿酸に代謝されます。細胞由来の尿酸は、食事由来のプリン体による尿酸の2倍ほどあります。ですから、食事から摂るプリン体を増やさないことはもちろん、細胞由来の尿酸を増やさない工夫が必要です。高尿酸血症の食事療法では、細胞由来の尿酸を増やさない、食事由来のプリン体を増やさない、尿酸を上手に排泄させることを目的に実施されます。
まずは、肥満のある人は肥満の是正、肥満のない人は肥満の予防のために、糖尿病の食事療法に準じた摂取エネルギーの適正化が必要です。肥満は、体内でのプリン体の合成を促進し、食べ過ぎによりプリン体の摂取増につながります。また、インスリン抵抗性を介した尿酸の排泄低下を招きます。
次に、尿酸の原料となるプリン体の摂取制限をします。先に書いたように、我々の体内の細胞にもたくさんの尿酸の原料を持っていますので、過剰な摂取を制限するために特にプリン体の多い食品に気をつける程度でかまいません。肉食が多くならないようにすることと、特に動物の内臓や肉汁にはプリン体が多く含まれるので、食べないほうが良いでしょう。
飲酒習慣のある人は、節酒および禁酒が必要です。アルコール飲料は、それ自体にプリン体をあまり含んでいなくても、細胞由来の尿酸の産生量が多くなると同時に、尿酸の排泄を抑制します。あわせて、おつまみとして動物性食品の摂取が多くなるので、プリン体の摂取量が増えます。さらには、食欲を増進して肥満へとつながりやすくなりますので、適正量の飲酒にとどめることが必要です。1日の目安量としては、日本酒1合、ビール500ml、ウイスキーダブル1杯(60ml)までとして、週に2日以上を禁酒日とします。
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