軟口蓋挙上装置は、軟口蓋の運動障害による鼻腔閉鎖不全が認められる患者に対して用いられる装置であり、床の口蓋部後縁より軟口蓋挙上子を延長して作製する。
軟口蓋挙上子により機械的に軟口蓋を挙上させて、構音時、嚥下時の鼻咽腔の閉鎖を図る。本装置の目的は構音機能の回復にあると考えられてきたが、最近では、挙上子の形態を工夫することによって嚥下機能の改善も同時に図れることが報告されている。
ただし、発音時とは異なる嚥下時の軟口蓋運動を妨げないように、装置を調整することが必要な場合もある。本装置の装着は即時的効果をもつ。その長期装着による効果も報告されており、軟口蓋挙上子の刺激が知覚を賦活する可能性もある。
口蓋裂を閉じる手術後から、正常な構音(発音)をするために言語訓練が始まります。言葉を話し始める時期には個人差がありますが、言語訓練はまず生活の中の遊びを取り入れながら始まり、本格的に言葉の構音練習へと移行していきます。その時必要となるのが軟口蓋挙上装置・スピーチエイドと呼ばれる発音補助装置です。
しかし、訓練する全ての人に必要という訳ではありません。人は、食べたり話したりする時には上の顎の軟口蓋と呼ばれる所の筋肉が上がり喉の奥に接します。そうすることによって食べ物や声が鼻に漏れないようになります。この筋肉が喉の奥に接する機能を鼻咽腔閉鎖機能といいます。鼻咽腔閉鎖がうまくいかない場合、声が鼻に抜けたり、喉を詰めたような構音になります。軟口蓋挙上装置・スピーチエイドはその鼻咽腔閉鎖のお手伝いをする装置です。
型どりが終わると装置が出来上がりますが、まだ完成ではありません。軟口蓋挙上装置・スピーチエイドは装置の後ろに針金の通ったプラスチックのしっぽをつけなければなりません。しっぽはお口の中にプラスチックの材料を入れて合わせていくので何度も出したり入れたりを繰り返します。
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