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歯髄細胞バンク

 歯の神経や歯根膜には、様々な組織になる能力を持った幹細胞が含まれており、再生医療が実用化した将来、適切に冷凍保存しておいた抜去歯を用いて、様々な難病の治療やアンチエイジング、また臓器の細胞や神経・骨・脂肪などの組織を再生医療で治療できる可能性があります。

 

自分の細胞であるため、拒否反応や後遺症の不安が何よりも少なく、腫瘍化が起こらない研究・技術開発が実現した場合には、素晴らしいリターンが得られることでしょう。再生医療研究所にて抜去歯の冷凍保存を行っております。

 

ご存知のように再生医療が日々すすんでおり、歯の中にあります歯の神経細胞(歯髄)による再生医療の実用化が可能となりました。iPS細胞という名称をテレビ等で耳にしたことがあると思いますが、2006年に山中伸弥教授(京都大学)らが、皮膚の細胞から作れる万能細胞を発見しました。このiPS細胞とは、ヒトの皮膚等から成長済みの細胞を取り出し、体の組織や臓器に成長する前の未熟な段階に戻すことにより、あらゆる細胞に変化する万能性をもたせたものです。

 

歯髄細胞の特徴として、歯という硬い組織に保護されているため、内部の細胞や遺伝子に傷つける物質ができにくいというiPS細胞としてはもってこいの構造をしています。今回岐阜大学の研究チームが歯髄細胞からiPS細胞を作ることに成功し、また抜いた歯から幹細胞を取り出して凍結保存しておくことにより、将来良質なiPS細胞を作れることも可能になり、広範囲の再生医療に応用されることが期待されています。

 

将来の自分のために自分の細胞を保管したいという方にとって、抜けそうな子供の歯(入歯)や親知らず、矯正治療前の歯の細胞は、皮膚等の他の臓器細胞と比較して体を傷つけることが少なく、比較的容易であり、将来を見据えた医療保険として優れた細胞です。

 

歯髄細胞バンクとは、今まで医療廃棄物として廃棄されていた「永久歯」や「親知らず」、また「乳歯」に含まれる歯髄細胞を未来の「再生医療」のための保険としてお預かりするものです。

 

再生医療とは外科的療法(手術等)や、薬物治療と異なり、病気や事故並びに老化で失われた組織や、臓器を自身の体の中にある細胞を用いて形態や機能を再生させる最新の医療です。その研究によりこれまでに多くの疾患で成功例が報告されております。

 

歯髄細胞は歯牙という硬組織に保護されていることから傷つきにくく、再生医療に適した質の良い細胞がたくさん含まれています。歯髄細胞バンクでは、抜歯から再生医療に用いる幹細胞を凍結保存しておくことにより、将来のより安全な再生医療が可能となります。歯髄細胞は、歯周病等の歯科領域の再生医療だけでなく、あらゆる骨の形成や、 修復、脊髄損傷等の各種神経疾患にも有用であると考えられています。

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