乳幼児のむし歯の最大の原因の一つは、その食生活、食習慣にあると考えられます。乳幼児のむし歯は上顎前歯から始まり、奥歯にひろがっていくことが多く、中には生えている歯のすべてがむし歯になっている幼児もいます。
おやつには気を使っていても、意外におざなりにされがちなのが、飲み物類。冷蔵庫から自分で飲み物を出して飲むとか、寝る前にジュースを飲む習慣がある…なんて子は、特に注意が必要です。
飲み物で問題になるのは、お砂糖の量と酸性度。「学生の実習で、歯を炭酸飲料につけるというのがあります。しばらくつけていると、歯が溶けていくのが分かるんです。」なんとも怖い話ですね。
歯を溶かすのは、炭酸飲料だけではありません。乳酸飲料や果物のジュースは、甘味も酸性度も高いので心配です。口の中にいつまでも残さないよう、飲んだ後には水やお茶でブクブクするといいかもしれません。それから、甘味も酸性度も低いために、虫歯になりにくいといわれているスポーツドリンクも、とりすぎは禁物のようです。
口の中に入った砂糖を栄養に、むし歯をつくるバイキンはあっという間に増えます。バイキンは歯の表面でお砂糖から酸をつくり、歯に穴をあけてしまい、それがむし歯でになります。こどもさんのむし歯予防には、全体として砂糖の量を減らしてあげるだけでなく、そのとり方もとても大切です。
寝る前に哺乳瓶にジュースやスポーツ飲料・乳酸飲料を入れ、くわえたまま寝かせることは禁物です。冷やして飲む清涼飲料などは、味覚が鈍感になるために非常に多量の砂糖を入れてあります。
体の小さいお子さんが、非常に多量のお砂糖を一気に吸収されやすい水にとけた形で飲むことは、歯だけでなく体にも有害でしょう。また、甘みは他の味覚よりなじみやすく習慣化されやすい分、覚えてしまうと後年管理が難しくなるため、水・お茶・野菜・果物等、自然の味覚を覚えさせることが大切です。むし歯予防のためにも、体の成長のためにも、子供の水分補給は水又は麦茶など、お砂糖の入っていないものを与えるように心がけましょう。
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