家族以外の方々との出会いや体験も,子どもにとってさまざまなルールや行動を身につける大切な機会です.自分の健康を守るための行動なら,通っている保育園や幼稚園でも,手洗いなどの保健行動を覚える機会が有るでしょう.同様に,困ったときの問題解決行動を学ぶことも大切で,病気やけがの治療経験は絶好の機会となるはずです.
嫌でつらい経験だからこそ,周囲の支えにより飛躍的に子どもが育つことを,臨床では日々実感します.私たちはよく,治療の終わった子どもたちに,「がんばったこと,皆に自慢してね」と声をかけます.
大人や友達に自慢している子どもや,治療がつらかつた子どもにそれぞれ対応してくださる園の先生方や,子どものむし歯に悩む保護者と一緒に考えてくださる地域の皆さんは,歯科医にとって大事な協働支援者です. 子どもにとって,第三者との信頼関係が大切なのは,育児の世界も医療の世界も同じなのです.セルフケアは主体的に生まれる志向や行動です.親や保育士,教師や医療職などの第三者からの押しつけではなく,年齢・障害にかかわらず,実践する本人が主体者として自主的に思考しなければ生まれません.
日常生活のケアだけでなく,生活障害や疾病への対・応についても同様の背景が想定されます.つまり,うがい、手洗い・歯みがきなどの保健行動や生活リズムの改善だけでなく,病気やけがで困ったときも,本人が認知し,どのように解決するのかを考え行動しなくては,生きていく力の向上には結びつかないのです.
自身が抱える問題を認知・理解し,どのような手段で解決をはかるかを考え,専門職の支援を求めるまでの過程は‘大人も子どもも同じです.インフォームドコンセントの本質に変わりはないはずですが,子どもが対象となると,保護者にばかりに医療職は目を向けてきました.
子どもには問題解決の力はないと考えたからですが,本当にそうでしょうか?子どもに限らず,診療室は非日常的な空間で,はじめて診療椅子に上がるのはきわめて高い心理的障壁です.さらに痛みやつらさがあれば,誰でも不安で自己防衛的な思考や態度をもつのは当然です.大人は表情に出すまいとするのに対し,子どもは素直に出しているに過ぎないのです.しかし日常の臨床ではが保護者の通院に自発的についてくる子どもも珍しくありません.保護者と医療者との信頼関係が子どもにも安心感を与え,診療スタッフからの声かけや笑い声が,家庭との段差を少しずつ低くしているのでしょう.
このように 段階をふまえて歯科医院に馴染み,むし歯のないうちにお口のケアを身につける経験から始めることができる子どもは幸せです.就学前までにはかかりつけ医との信頼関係もできあがり,問題がみつかっても一緒に考える余裕ができるでしょう.
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