年配の方であれば、多くの人が入れ歯のお世話になりますね。歯は消耗品であり、しかも常に使うものですから、年齢とともに劣化していくのは仕方のないことです。どんなに歯のケアを十分に行っていたとしても、老化現象により歯が使えなくなってしまうのはある意味人間の避けることのできない宿命です。しかし、歯がなくなってしまうと生きていくうえで重大な問題を引き起こしてしまいますよね。歯がなくなったからハイそれまで、とはいかないのは誰にだってわかることです。従って、歯がなくなった場合には歯の変わりになるものが必要になるのです。
Q 義歯安定剤について改めて教えてください。
A義歯安定剤は、入れ歯を落ちにくくしたり、顎の上で安定させて入れ歯の痛みを緩和するなどの役割があります。タイプとしては大きく分けて 2 種類あります。
Qどんなタイプ?
A 1 つ目は義歯粘着剤と呼ばれるものですが、クリームタイプ、テープタイプ、粉末状で高い粘着性があります。2 つ目としてゴムのように柔らかいクッションタイプのものがあります。
Qいろんな種類があるということは、それだけ需要も高い?
A年間の売り上げは100億円にも迫る市場と言われています。この背景には、日本人の高齢化が進んでいることが原因としてあげられると思います。高齢者は、入れ歯を支える顎の骨が極端にやせて、入れ歯が安定しなかったり、薬の影 響で、唾液の量が少なくなることで、入れ歯が落ちやすい、痛みが出やすい、といった方が多くなっています。
Q義歯安定剤を使う前に注意点があるそう?
A使う前に必ず、かかりつけの歯科医に相談しましょう。歯科医院では、今使っている入れ歯がきちんと顎の形にあっているか、また噛みあわせが狂っていないか、などを確認します。問題がある場合には、入れ歯を修理したり、新し く作る必要がある時もあります。その上で、義歯安定剤が必要かどうか判断します。
Qもし、自分の判断だけで使うとどんな問題があるの?
A安定剤の種類によっても症状が変わってくるのですが、まず、クッションタイプの安定剤の場合は、顎の形に合わない状態で使っていると、安定剤に厚みが出て、顎の骨の形が変わってしまう恐れがあります。短期間のうちに顎の骨が痩せ細ってくると言う報告もあります。また、噛み合わせが悪い状態で使っていると、顎の関節に痛みやゆがみが出てくる場合もあります。
Qクリームや粉末などの粘着性タイプの場合はどう?
A入れ歯の内面や、口の粘膜に安定剤が残りやすく、カビや細菌が繁殖して不潔になってしまうことがあります。使った後のお手入れの方法についても、しっかりとアドバイスを受ける必要があると思います。
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