近年、再手術の必要がない吸収性プレートは、患者さんへの負担が少ない上、金属プレートに遜色のない治療結果が得られています。開発当初のような炎症を引き起こすような症例は少なくなり、プレートの吸収には2~3年を要しますが、顎変形症の手術における臨床的有用性と安全性が報告されています。
ただし、本骨接合材は、比較的術後の荷重の少ない上顎骨や頭蓋骨の骨接合を想定しており、術後荷重の大きな下顎骨の骨接合は適応ではないとする報告も散見されます。化骨性繊維腫によるものかプレート感染によるものかわかりませんが、ご担当の先生の指示に従われることをお勧めいたします。
ただでも大変な顎変形症の手術後に術後感染を引き起こし、大変お悩みのことと思います。感染源については実際に拝見してみないと判断しかねます。早期のプレート除去につきましても、骨のくっつき具合や顎の切り方によって判断が異なってきます。場合によっては、補助的にチンキャップを用いて固定する場合もあります。
術後に感染が起きて肉体的にも精神的にも大変だと思います。しかし石亀先生同様、感染の原因についてはここで言及することはできません。また、プレートの除去の時期については手術法やプレートの材質や固定法骨の結合状態によって様々です。ただ、骨折の治癒期間については最短で1カ月であることを考えればさほど問題はないように思いますが、状況によっても変わってくるでしょう。