ムーシールドは乳歯列期に受け口を改善する装置です。 乳歯列期に治療を行う事によって正常な顎骨の成長発育の促進及び、永久歯の正しい生え変わりを期待します。 就寝時にこの装置を装着する事によって舌や口腔周囲筋の状態が整えられ、反対咬合が改善します。
ムーシールドは日本大学歯学部講師で東京都調布市にて診療所を開業をしている医師、柳澤宗光が1983年に考案した、3歳児健診にて反対咬合を指摘された低年齢児に使用可能なマウスピース型矯正装置。2005年にアメリカ合衆国のAmerican Orthodontics社より製品が発売されている。
幼児期の反対咬合は自然治癒がみこまれるとされるが、2歳で反対咬合だった子の50%は自然治癒する一方で、3歳になると、治癒率は6%程度に低下する。そのため反対咬合は3歳より治療適応となる。
しかし、いままで矯正治療では低年齢児に対応できる治療法が少なかった。ムーシールドは就寝中にマウスピース型の矯正装置をくわえるだけという簡便さのため、幼い子に対しても負担が小さく応用できる。筋機能を正常化させ、咬合の乱れを整えるというのがムーシールドの考え方。1年間程度の就寝時のみ装着で、症状の改善がはかられる。
下の歯が上の歯より前に出ている受け口のお子さんに使用する既製品の矯正装置が発売されました。以前から似たような矯正装置はありましたが、調布矯正歯科クリニックの柳澤宗光先生が、乳歯列の時にだけ使用できる安価で簡便な矯正装置(ムーシールド)を考案されました。
今まで本人の協力が望みにくい早期時期には、積極的に治療してはおりませんでしたが、ムーシールドは、就寝時のみの使用で、目的を達成することが可能です。かみ合わせの安定の意味も含めて、1年間をめどに使って頂きます。
また、その後は、定期的に健診を継続していく事が重要です。ムーシールドは本人が積極的に使用しないと、効果は望めませんし、永久歯が生えて矯正治療が必要になる場合も、もちろんあります。しかし、効果が現れない場合でも反対咬合の原因の一つでもある舌の位置の異常を改善することもできますので、無駄にはなりません。
受け口の成因は遺伝的要因の他に筋機能上の問題点が挙げられます。 ムーシールドは受け口の要因となっている不正な筋機能を正常な状態に改善する事によって歯列を整えます。主な筋機能上の問題点は3つあります。
1きつい上口唇圧(癖)
2低位で機能する舌
3オトガイ筋の負の圧
[1]きつい上口唇圧(癖)→上唇と上前歯の間にシールドが介在し、歯へは直接上口唇圧が加わりません。
[2]低位で機能する舌(習慣性、鼻咽腔疾患)]→舌がパッドの上に挙がることによって、下前歯を内側から押さないようになります。また同時に舌が上前歯を内側から押すようになります。
[3]オトガイ筋の負の圧→装置を装着することによって改善します。(装置を入れて口を閉じる練習をするとより効果的です。