国立がん研究センターがん予防・検診研究センターにおける、18万人を超えるコホート研究では、女性の肥満は閉経前後のいずれでも乳癌リスクになることを発表しました。なんと、肥満の女性では、乳がんになるリスクは、閉経後では最大2.25倍に上るそうです。
乳がんと肥満、そして炭水化物、とくにデンプンやブドウ糖の過量摂取との関連がこれまで報告されています。炭水化物の摂取は、体重増加およびインスリンレベルに影響し、乳がん腫瘍のインスリン様増殖因子受容体(IGF-IR)の活性化を促し予後に影響するとみられています。
そもそも、がん細胞が炭水化物の一つであるブドウ糖を多く取り込むことはよく知られています。がん細胞が数を増やしていくには、莫大なエネルギーの産生と細胞を構成する成分の合成が必要ですが、がん細胞におけるエネルギー産生と物質合成の主な材料がブドウ糖だからです。多くのがん細胞は、正常細胞と比べて数倍〜数十倍ものブドウ糖を取り込んで消費しています。
なので、がんの検査法でPET検査というものがありますが、これは放射性同位体で標をつけたブドウ糖血管内にを注射し、この薬剤ががん組織に集まるところを画像化することでがんの有無や位置を調べる検査法です。正常細胞に比べてブドウ糖の取り込みが非常に高いがん細胞の特性を利用した検査法です。
このがんがブドウ糖を栄養源していることを利用し、がんの食事療法として、中鎖脂肪酸ケトン食療法という、ブドウ糖を断糖する食事療法があるくらいなのです。
現在の日本の食生活は、糖分にあふれています。「そんなに甘いものはとっていない」と言われる方でも、コンビニやスーパーの惣菜、そしてお菓子や食パンにも極めて多い量のブドウ糖や砂糖が添加されていることを知っていますか?
みなさんも、カロリーだけでなく、もう一度食生活を見直してみましょう。
注:誠敬会クリニックから転載します。
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