年を重ねるとともに、唾液の量が減少し、口の中の自浄作用や消化促進機能が低下傾向にあります。それらを緩和するために、舌を上下左右に動かし唾液分泌を促したり、また、表情筋が動くことにより表情が和やかになる健口体操を作りました。この健口体操は、子どもから高齢者まで楽しくできる体操です。
口腔乾燥症で唾液の量が低下すると、抗菌成分も減少して細菌が繁殖、風邪・歯痛・歯周病などにかかりやすくなり、高齢者の場合、肺炎に至ります。唾液量をアップさせ、口の中から始まる病を予防するには、噛む回数をアップさせることが不可欠ですが、日本人の1食あたりの平均咀嚼回数は約600回ということで、調理法を少し変えるだけで咀嚼回数が劇的にアップする方法が紹介されました。
噛む回数を増やそう唾液が増える調理法
①火を通し水分を抜く
②食材を大きく切る
③噛み応えのある食材を使う
④野菜は繊維が残るように切る
口を閉じたまま頬を大きく膨らませる→すぼめる→口を大きく開けて2秒間カウント。顎下腺を刺激。耳下腺マッサージ…3本の指で奥歯の上を両手で押さえ円を描くように10回まわす。耳下腺を刺激。健口体操は食事前が効果的で1日1回行いますが、口の中の乾燥が気になる人は1日3回行います。通常1~2週間程度で健口体操の効果が出てくるとのことです。
唾液の分泌を良くするには、耳下腺、顎(がく)下腺、舌下腺という3つの唾液腺のマッサージが効果的だ。マッサージをするときは、耳下腺では耳の前方に沿った頬骨の下を親指の付け根でゆっくりと強く押す。
顎下腺は、下顎の両側を指でゆっくりと強く押す。舌下腺は、下顎の中央を指でゆっくりと強く押すといった具合だ。「いずれも少し痛みを感じる程度に、5秒間ぐらい押すと効果的です。分泌した唾液は、意識してごくんとのみ込んでください」と阿部准教授。唾液は、30秒間に2回以上のみ込める量があるのが適正という。