口をぽかんと開けて呼吸をしている姿は、見た目の印象がよくないだけでなく、口の中が乾いて細菌が繁殖し、う蝕(虫歯)や歯周病になりやすくなります。鼻やのどの病気、歯並びの乱れが口呼吸を引き起こしていることがあるので、まずは受診して原因を調べましょう。
まずはじめに、次の項目に当てはまるものがあるかどうかチェックしてみてください。
1 気がつくと口がぽかんと開いている。
2唇や口の中が乾燥しやすい。
3 朝起きたときにのどが乾いている、またはのどが痛い。
4いびきをかく。
5食事のときにクチャクチャと音を立てて食べる。
これらの中で一つでも当てはまる人は、無意識のうちに「口呼吸」をしているかもしれません。
人間は鼻でも口でも呼吸をすることができますが、哺乳類の中で口呼吸ができるのは、言葉を話す人間だけとか。本来は人間も、鼻呼吸をするようにできています。
鼻の粘膜には「繊毛(せんもう)」と呼ばれる細かい毛がたくさん生えていて、ほこり、ちり、ウイルス、細菌などの異物が体内へ侵入するのを防ぐフィルターの役目をしています。また、鼻には冷たくて乾燥した空気を暖め、加湿する働きがあります。
ところが口で呼吸をすると、細菌やウイルスなどを含んだ冷たくて乾燥した空気を直接体内へ取り込むことになります。すると、口やのどが乾燥したり、細菌やウイルスによって病気にかかるリスクが高まってしまうのです。ほかにも意外な悪影響があります。
口呼吸は、お口の健康にも悪影響を及ぼします。唾液には口の中を清潔に保ったり、う蝕(虫歯)を予防する働きがあるため、口呼吸によって唾液が蒸発すると唾液による自浄作用が低下し、う蝕(虫歯)や歯周病になりやすくなるほか、口臭の原因にもなります。