加齢とともに唾液の分泌量が減り、口の中が乾燥しやすくなります。すると、クッキーのようにぱさぱさしたものや、海苔のように口の中にはりつくものなどを食べると、 むせたりノドに詰まりやすくなったりします。また、つるりとのどごしがよいものでも、勢い余って 誤嚥することが危険性があります。おもちのように、粘りけが多い食べ物も要注意。 水分の少ないものは水と一緒に食べ、詰まりやすいものは小さくして食べるように工夫しましょう。
大人にとってはなんてことない普通の食品が、乳幼児や高齢者にとっては窒息しやすいことがあります。乳幼児は、臼歯がないため食べ物を細かく噛み砕く能力が未発達であり、また高齢者は嚥下機能が低下したり歯がぬけていると噛みにくいことから、食べ物による窒息がおきやすいのです。気道が3~6 分間閉塞されると死亡することもあるそうです
食べ物による窒息の死亡者数は、厚生労働省人口動態調査の死因において、「食べ物の誤えんによる気道閉塞」に分類され、最近では毎年4 千名を超えています。もちは、昔からよく喉に詰まる食べ物として知られていますが、ごはん、パン、粥にいたる穀類が最も多く、そしてあめやだんご、カップ入りゼリーなどの菓子類がつぎ、その他にも魚介類、果実類、肉類など、本当に幅広い食品が原因となっています。
お粥のように柔らかい ものでも原因になるのですから、成人の健康な人にとっては当たり前に食べられる食品も、乳幼児や高齢者にとっては、食べ方を気をつけないと、命とりになる こともあるのですね。
また口の中が乾燥すると詰まりやすいので、水やお茶等の水分をとりながら口中をしめらせることや、高齢者ではきちんと噛むことができるように入れ歯などの調整も必要ですし、幼児では乳歯から永久歯に生え変わる時期等にも注意が必要でしょう。
今の時代は、家族だけで、乳幼児や高齢者のお世話をするとは限りません。様々な人が関わる場合、全員がこうした内容をを共有しておくこと、またもしも喉に食べ物が詰まった時の応急手当法なども併せて知っておくことが大切だと思います。