身体は休息状態にもかかわらず、脳が浅い睡眠状態にある睡眠のことをレム睡眠といいます。人はこのレム睡眠時に夢を見ることが多いと言われています。レム睡眠の最中に起こされると、自分がたった今夢を見ていたとハッキリと認識できる傾向があります。
レム睡眠は約90分周期でくり返し発生しますから、8時間眠る人は5回のレム睡眠を体験し、5回の夢を見ていることになります。しかし、起きた時に5種類の夢をすべて覚えているということはなかなかありません。通常、起きたときに覚えているのはせいぜいひとつの夢ではないでしょうか。それは目覚めの直前のレム睡眠の時に見ていた夢だと考えられます。
夢を見ることと、夢を覚えているかどうか、ということはまったく別のことなのです。ほとんどの人は夢を見てもそれを覚えていないだけなのです。「昨日は夢を見なかった」という人がいますが、「昨日の夢は覚えていない」と言うのが正確な表現と言えるでしょう。夢ばかり見ていて自分は深く眠っていないのではないか、不眠症ではないか、と悩んでいる人がいますが、夢をよく覚えていることと不眠症はまったく別のことなのです。
ただ、今までは夢をあまり覚えてなかったのに、よく覚えているようになったら少し注意が必要かもしれません。自分の内面に意識がより向いていると、夢はよく覚えられる傾向があります。なので、急に夢を覚えているようになるということは、自分について考え込んでいる=心配事がある、と考えることもできます。
夢もよく覚えるようになって、自分に対する心配事に心当たりもあるのであれば、一人でため込まないで周りの人に相談して、早めに解決していきましょう。夢には怖い部分もあるようにみえます。しかし、逆にこれをストレスのサインと気づくことができればしめたものです。早めに対処ができるので、深く悩まされることもなくなるかもしれません。夢も味方につけていきましょう。