インプラントとは、虫歯など口腔内の病気、外傷などによって欠損した歯を人工的に復活させる方法だそうです。 治療内容は、欠損部位の顎骨に金属などで作られた歯根を埋め込んで土台を作り、それに歯冠を接続するという方法とされています。
歯科業界では、新しい歯の再生治療として注目を浴びていますが、インプラントの始まりはニューヨークに住む歯科医師とスウェーデンの博士によるものでした。 インプラント治療は、「骨膜下インプラント」として1940年代ごろから行われていた治療法ですが、飛躍的な発展を遂げたのは使用する素材がチタンになる1950年代なんだとか。
インプラントの発展へ貢献したレオナルド・リンコー歯科医師は、板状に加工したチタンを直接骨とはくっつけないやり方のチタンブレードという方法を開発したそうです。 骨膜下インプラントの頃に使用していたコバルトクロム合金とは違い、チタンに折り曲げるなどの加工を施し、治療に用い易くしたそうです。このことはインプラントの普及に大きく貢献したそうです。
また、ベル・イングヴアール・ブローネマルク博士は、骨とチタンが結合するということを偶然発見したんだとか。その発見を医療に活かせないかと基礎実験や動物による実験を重ね、臨床に応用するまで至りました。 この原理と臨床での成績は世界に認められるようになり、インプラント治療は世界に広がることとなったそうです。
インプラントで用いられるフィクスチャー(人工歯根)は直接骨に埋め込む部品です。フィクスチャーが土台となるため、重要なパーツとされています。通常であれば一定の期間が経てば骨に固定され、被せ物を接続する次の段階に進むことになるのですが、固定されずにフィクスチャーが抜けることもあるんだとか。
また、骨の状態によっても固定できないケースもあるそうです。 フィクスチャーを埋め込む骨が硬い、または柔らかい、量が少ないなど、治療を受ける人の個人差により上手く植立・固定されない場合も。 骨が原因してインプラントが出来ない場合は、骨量を増やすなどの治療後に再び行うことになるようですが、このような失敗は医師の技量不足も関係しているんだそうです。