歯の抜けたすき間をそのままにしておくと、隣の歯が倒れてきたり、噛み合う歯が伸びてきたりして、全体の噛み合わせのバランスが崩れてきます。
そこで、抜いた歯(欠損歯)を補うため、①ブリッジ②義歯③インプラントの治療が選択されます。通常、欠損歯が少ない場合ブリッジが選択されます。ブリッジとは、欠損歯の代わりとなる人工の歯を、両隣の歯にかぶせる冠と一体でつくったものです。白い材料などの材質を選択しなければ、健康保険でも可能です。土台にする歯がしっかりしていれば、かなり大きなものもつくれますが、土台となる歯がしっかりしていない場合やそもそも歯を削りたくない場合はできません。
1本も歯がない場合に装着する義歯を総義歯(そうぎし)(全部床義歯(ぜんぶしょうぎし))、1本でも歯がある場合に装着する義歯を局部義歯(きょくぶぎし)(部分床義歯(ぶぶんしょうぎし))といいます。義歯の保持は、総義歯では、唾液(だえき)の粘着力や口腔粘膜(こうくうねんまく)との吸着力に頼る粘膜負担ですが、局部義歯では、残りの歯に金属のバネ(クラスプ)をかけて取り付け、粘膜負担を助けます。
これらの方法は、残りの歯を削らずに機能回復ができますが、常にはずして清掃する必要があります。局部義歯では、クラスプをかける歯(鉤歯(こうし))に負担がかかりぐらぐらしてきたり、鉤歯がむし歯になることもあります。義歯の材料はレジンが中心ですが、強度をもたせるために厚くせざるをえず、装着感、温度感覚などに問題のあることがあります。
金属を用いるとこの問題は解決しますが、保険適用外となり費用の問題が出てきます。
すぐには入れた方も気がつかず2~3年経つと虫歯による破壊で隙間に気がついてきますが、もうその時は抜歯をするような状態になっているのです。
抜歯を前提にしてマグネットや根面板を入れ、少しの間だけでも楽な義歯を入れるのであればかまいませんが、5年以上虫歯を作らずマグネットを使うのであれば、義歯側に外冠状のものを作り、マグネットの周りを十分に空け自浄作用が働くようにしなければなりません。