歯根嚢胞では、物を噛むと歯が浮いているように感じる、歯肉や頬が腫れる、または熱感を伴うなどの症状が現れます。歯根肉芽種が炎症を起こし続けることによって、水腫、粘液化、脂肪変性へと進行して、膿胞を形成した状態のことをいいます。物をかむと歯が浮いたような感覚を持ち、歯肉や頬が腫れて発熱を伴うなどの症状が現れます。多くが上の前歯にみられます。
根の先端に、ろうそくの炎のような黒い陰があるのがわかりますか?これは、歯の根の中に細菌が繁殖し、根の先で嚢胞(膿みの袋)が形成されています。
レントゲンでは、このように大きな陰があるため、さぞかし痛そうに思いますが、患者さんはほとんど痛みを感じることはありません。そのため、レントゲン写真を撮った際に初めて気づかされることが多い疾患です。歯周病と同じで、沈黙の病といえます。
歯根の先に膿の袋ができて、歯ぐきが腫れたり痛みがある場合、 治療法として根管治療を行うことで治癒に向かいます。しかし、かぶせた冠や根管のつめものが除去できない、根管が曲がっているなどで根管治療ができなかったり、 予後が不良な場合には歯根の手術をすることで抜歯せずに助けることができます。
この手術は歯根端切除術と言って歯肉を切開し、骨に小さな穴を開けて膿の袋を取り除き、マイクロミラーで原因を究明し、原因である歯根の端を1から2mm切断します.そして超音波ダイヤモンドチップで逆根管充填窩洞を形成した後、安全性の高い接着性セメントを流し込み細菌の繁殖部を閉鎖、歯肉をもどして縫合します. 必要によって、歯根の亀裂などを確認するために、マイクロスコープを使って手術をする場合もあります。手術時間は約1時間です。
歯根嚢胞とは、歯根肉芽腫が炎症を起こし続けることで水腫、粘液化、脂肪変性へと進行し、歯根の先端に液がたまった袋を生じている状態をいいます。虫歯の放置、または虫歯治療が不完全であることによって、歯髄に細菌が感染して炎症を引き起こす「根尖性歯根膜炎」が原因となると考えられています。歯根嚢胞が軽度であれば歯の治療を行うことで治ることもあります。しかし一般的には歯根の嚢胞を除去する手術が必要となることが多く、嚢胞が大きい場合には抜歯することもあります。