歯髄炎は、歯髄が何らかの原因から炎症を起こし、それに従って痛みの症状を伴う疾患です。温度の熱い食べ物や飲み物や、また甘味が強い飲み物や食べ物をとると、歯がしみてきたり、痛みの感覚を覚える段階です。
歯髄炎がこの段階にある場合は、歯科治療も比較的容易に実施することが可能です。歯髄炎の症状をこれ以上悪くさせないためには、虫歯の状態を改善していく必要があります.
急性歯髄炎の主な症状は、冷水がしみてきたり、食べ物が詰まると痛みを感じたりする状態であった歯が、痛みの度合いが突然ひどくなり、悪くなっている歯がわからず、周囲の歯がすべて、悪くなった感じとなります。
歯髄炎になると、歯に激痛が引き起こります。初診時に、歯髄の健康状態を推測するために歯に熱い刺激や冷たい刺激などを加えて、反応をチェックするテストが行われます。このとき、刺激を中断しても痛み続けたり、あるいは自然に痛みだす場合は、歯髄炎はすでに手遅れ状態になっているおそれがあります。さらに(歯科機器)電気歯髄診断器による、歯髄の生死判定が行われます。これは歯髄の健康状態を判定する装置ではありません。このテストの結果、歯に流された少量の電流によって痛みを感じれば、歯髄はまだ生きていると判定されます。しかし歯の上を軽くたたかれたときに痛みがある場合、歯髄炎の多くは炎症が周辺組織にまで広がっています。
歯髄炎の治療は痛みが比較的軽くて持続性ではない場合は歯髄充血の可能性もあるので、その場合は感染した象牙質だけを取り除き虫歯の穴に仮のセメントを詰めて経過観察し痛みがない場合は歯髄を残します。
そして歯髄炎による痛みが激しい場合は歯髄を取り除いて根管充填します。
応急措置としては虫歯の部分を取り除いて歯髄腔を開くことで歯髄の内圧が下がって痛みが消えます。
歯髄炎の症状が軽い場合に行われるのが、薬を用いて歯髄の炎症を抑える治療です。しかし残念ながらいくら症状が軽くても歯髄炎の場合、炎症が一気に歯髄内に広がり症状がひどくなる可能性が非常に高いため、消炎処置を行わず、いきなし次の抜髄を含む「根管治療」を行う場合が多いようです。
上記の通り、抜髄、つまり症状が進行し炎症がひどい場合は歯髄を根管から抜き取る治療が行われるのが一般的で、歯髄を抜き取ったあとに根管を徹底的に清掃し、根管に詰め物を入れて終了です。
こう書けば簡単な治療に思われるかもしれませんが、抜髄自体、かなり大変な作業となり、残念ながら歯髄炎と診断された場合、症状が進行した場合だけではなく、比較的初期症状の場合でもこの抜髄を含む「根管治療」を行うケースが圧倒的に多いのです。