看護師は医師の指示を基づいて動くべきであるが、異例な場合もある。看護師の能力認証制度に重要な関係している。
看護師の能力認証の枠組みに関する厚労省の試案について、論点整理を行ったチーム医療推進会議(21日、同省)
厚生労働省は21日、チーム医療推進会議(座長=永井良三・自治医科大学長)を開き、特定の医行為(特定行為)を担う看護師の能力認証に関する同省の試案について、これまでの論点を整理した。厚労相の指定研修を受ける看護師に関しては、プロトコルに従って特定行為を実施しようとする看護師など、要件を具体化することが提案されたが、医師が常駐しない在宅医療の現場で、医師の指示と認証制度の関係をどう考えるかが課題の一つとして挙がった。
試案では、厚労相の指定機関で研修を修了した看護師は、医師・歯科医師の「包括的指示」(プロトコルなど)で特定行為が可能となる一方、研修を受けていない一般の看護師に関しては、安全管理体制を整備した上で、医師・歯科医師の「具体的指示」で特定行為を実施するとしている。
一方、厚労省は前日に開いた同会議の作業部会で、看護師が特定行為を実施する際の流れについて、これまでの議論の内容を整理した。同省の整理案では、包括的指示の場合、看護師はプロトコルに沿って、患者の病態を確認した上で特定行為を実施するが、具体的指示では、医師・歯科医師が患者の病態を確認し、看護師は特定行為のみを行う。対象患者はいずれも、医師・歯科医師が特定するとした。
意見交換で太田秀樹委員(全国在宅療養支援診療所連絡会・事務局長)は、医師が常駐しない在宅医療の現場では、医師が包括的指示を出している一方、看護師からの電話連絡を受け、行為の実施を判断する場合もあるとして、「看護師が医師に指示をしている。そういう場合は在宅が多い」と主張した。
論点整理では、特定行為の定義について、「医師または歯科医師の指示の下、診療の補助のうち、高度な専門知識と技能をもって行う必要のある行為」とする修正案も示された。
これに対して藤川謙二委員(日本医師会・常任理事)は、「看護師が高度な知識を持って判断するということは、医行為の中でも絶対にしてはいけないことだ」と強調し、行為の実施の判断はあくまで医師が行うべきとの考えを強調。一方、藤本晴枝委員(NPO法人「地域医療を育てる会」理事長)は、「高度な理解力、判断力こそ、特定行為の要素として必要ではないか」と述べた。
このほか、特定行為の研修への国の関与については、藤川委員が医療機関の裁量に任せるよう求めたのに対し、大久保清子委員(日本看護協会副会長)は「安全性を担保するためには、研修が必要。国の認定の関与が不可欠だ」などと述べ、この日も主張は真っ向から対立した。
看護師は医師の指示を疑うことが重要ですが、自分の専門知識のアップすることも大事です。