舌の病気は発見は、本人も気づきにくく遅れがちだといわれています。痛みなどの症状があれば良いのですが、自覚症状がない場合は、いつの間にか気が付かないうちに病気になっていたということがほとんどのようです。
内臓や体調の良し悪しは、その原因となった臓器とは別の離れたところに症状を現すことがよくあります。舌の不快症状もこれと同じように他の臓器や体調の影響を受けていることが多いようです。
食べ過ぎやカゼ等で胃腸の具合が悪くなると、舌が荒れて白くコケが付いたようになります。食べ物がまずく、舌がざらついて感じられ、やや口臭が強くなるような経験のある方は多いでしょう。これとは別に、熱い食物や飲物で舌にやけどをしたり、酸味・にが味の強いものを食べた後に残る舌の不快感は、うがいをしたり、時間が経過することにより消えていくのが普通です。
舌の痛みには、焼けて熱いような痛みや乾燥してコリコリするような感じ等もあり、これらの痛みを訴える患者さんは少なくありません。舌を誤って噛んだり、口内炎ができたり、ビタミン欠乏症、糖尿病、肝臓病などの原因でも舌に痛みを感じるようです。
また近年、著しく増えているのが更年期の女性や癌ノイローゼ、その他神経症やうつ病の症状の一つとしての舌の痛みです。これら心因性の場合、舌そのものには痛み以外変化がないのが特徴です。舌の表面のザラつきを作っている舌乳頭が、黒い毛のように増殖する場合や、赤く腫れる場合、また逆に萎縮して平らになってしまうこともあります。
これらの原因としては、バイキンを殺す薬の使用や消化器の病気、糖尿病やビタミン欠乏症が考えられます。その他には舌の震えや、部分的、又は全体的なシビレ感やマヒ、舌が無意識のうちに片側によってしまう症状や、悪性、良性の腫瘍、あまり害のない舌のシマ模様やへコミ等、いろいろな症状を示すことがあります。
また「舌痛症」と病名を特定できたとしても、この痛みを取り除く即効性のある薬はないようです。精神的な病である「うつ病」の薬が処方されるようですが、いずれにしても症状が改善されるにはそれなりの時間がかかる病気だそうです。