舌の動きが悪くなっている患者さんに装着し,舌を口蓋に接触しやすくすることでしゃべったり飲み込んだりする機能を回復します。脳卒中や神経疾患にも適用可能です。上あごに装着して厚みをもたせ、短くなった舌先が上あごに接触しやすくする装置です。舌が上あごに着くことで、発音の改善も期待できます。記事中の女性のように、舌を大きく切ってしまった場合は、 下あごにも舌の代わりのプレートを入れることで、食べ物を のどの方に送りやすくなります。
脳卒中などによる舌の運動障害がある場合にも使われます。 使用を続けることで、舌の動きが良くなることもあるようです。舌接触補助床を入れた様子です。 上あごの壁が厚くなっているのがよく分かります。
切除や運動障害を原因とした著しい舌の機能低下により舌と硬・軟口蓋の接触が得られない患者に対して用いる「上顎義歯の口蓋部を肥厚させた形態の装置」、または「口蓋部分を覆う装置」。上顎に歯の欠損がある義歯装着者に対しては、義歯の床を舌機能低下に応じて肥厚させて作製し、上顎に歯の欠損がない患者に対しては、口蓋部分を被覆する床を舌機能低下に応じて肥厚させて作製する。
口蓋の形態を変えることで舌の機能低下を補い、摂食・嚥下障害や構音障害の改善を促す。摂食・嚥下障害に対する効果としては、頭頸部癌術後患者において PAP を装着することにより、食塊の送り込みを容易にする効果や、嚥下効率の改善に効果があることが文献的に示され、VF 所見として、食塊の口腔通過時間の短縮や咽頭通過時間の短縮が報告されている。また、舌と PAP の接触が得られることにより、舌運動を賦活化させ、アンカー機能により舌根後方運動が増強されることも報告されている。