歯に痛みがあるのに、歯科医院で診てもらっても「歯に異常はない」と診断されることはありませんか?もしかしたら、「非定型歯痛」を引き起こしているかもしれません。非定型歯痛は、歯や歯の周りに異常がないのに、慢性的に歯の痛みが起こる病気のことで、40~60代の女性に多くみられる病気です。
なんで歯に痛みが出るの?不安やストレスなどの心因的なことが引き金となり、脳の痛みをコントロールするシステムに変調が起こることにより、歯やその周囲に痛みが現れます。歯には原因がないため、以下の治療では症状の改善がみられません。
1.虫歯や歯周病、噛み合わせなどの歯科治療
2.痛み止めや神経痛の薬の服用
3.痛み止めや神経ブロックの注射
脳に起きた変調を調節する「三環系抗うつ薬」を長期服用することで、症状の改善や緩和が期待できるといわれています。この薬は、主にうつ病の治療で使用される薬ですが、慢性の痛みにも効果があり、非定型歯痛の治療で使用されています。この治療法で改善がみられない場合は、抗精神病薬や気分安定薬などの服用が併せて必要となることもあります。
また、このような治療と平行して、ストレスや不安を緩和させることや、痛みについて考えないように過ごすことも大切です。非定型歯痛では、歯を削ったり、抜いたりするような歯科治療は効果がなく、歯科治療を行うとさらに症状を悪化させる場合があり、内服薬で治療の効果がみられるまで歯科治療を行わないことが一般的です。
主に総合病院や大学病院にある歯科・口腔外科や、歯科麻酔科、ペインクリニック内科などで行われています。お探しの方は、インターネットで「非定型歯痛(または口腔顔面痛)」と「通いやすい地域名」などで検索をして、これらについてホームページに書かれているところを受診するとよいでしょう。