唾液には、食べ物をある程度まで分解する消化作用、のみ込みの補助、食べかすや細菌を洗い流す洗浄作用、病原微生物に抵抗する抗菌作用、pHを一定に保ち細菌の繁殖を抑えるpH緩衝作用、歯の表面に被膜を作って虫歯を防ぐ保護作用、発音をスムーズにする円滑作用など、さまざまな働きがあります。
唾液腺付近との事ですが、唾液腺自体に何か問題があるのか、その付近が炎症を起こしているのか分かりませんので、今ご提示なさっている情報では、単に口内炎や歯周病ほか口内の病気の初期症状全般が考えられます。
唾液は、1日に1~1.5リットル分泌されています。口の奥には唾液をためておくタンクのようなものが3つあり、耳の下にある耳下腺が最も大きく、唾液の分泌量も一番多く、全体の約6割を占めます。あとの2つは舌の奥にある顎下腺、舌下腺で、3つの大唾液腺は左右両側に一対ずつあります。これらの大唾液腺のほかに、多数の小唾液腺が口中に分布しています。
唾液は大唾液腺から口の中に通じる管を通って出てきます。耳下腺の場合は、上顎の第二大臼歯辺りの、頬の内側にある耳下腺乳頭から出てきます。唾液腺は自律神経に支配され、口の中に食べ物が入ると機械的刺激や味覚などによって反射的に唾液が分泌されます。
また、酸っぱい物を見たりにおいを嗅いだり、食べることを考えただけで唾液があふれてきます。耳下腺からの唾液は、水様性でさらっとしています。また、副交感神経が優位でリラックスした状態だと水のような唾液が出ます。
お子さんは、耳下腺から出てくる唾液のことをおっしゃっているのだと思います。ただ、唾液は無味無臭なので、少し苦いという点が気になります。ずっと苦いようでしたら、口腔外科か耳鼻咽喉科を受診し、ご相談なさってください。