まず大切な事は、とろみをつけることです。まとまりやすい形状となり、流れるスピードも遅くなるため、喉の準備に間に合います。温かい物にも、冷たい物にも簡単にとろみが付けられる粉も販売されていますので、お試しください。
食べる時の姿勢調節としては、顎を上げた状態での食事は、喉と気道が一直線になるた
め、食べ物が気道に入りやすくなります。背もたれのある椅子に深く座り、前かがみの姿勢をとった状態が理想的です。
さらに温度の工夫については、冷たい飲み物は、のどの粘膜に触れた時、飲み込みを誘発
しやすいため、咳が出にくくなります。息を止めて飲む方法は、食べ物を飲み込む前に息を吸い、息を止めて飲み込み、勢いをよく息を吐き出します。
年齢を重ねてくると、身体の複数の個所に変化や衰えが出てきます。私の祖母は唾液の分泌が減り、人口唾液を処方されていました。若いうちにはおいしく食べていた食べ物も、胃が痛くなってしまったり、咀嚼が辛くなってしまったり、糖尿病や脂質異常症、高血圧などで、塩分・糖分の制限を受ける場合もあります。
この場合、ご飯やおかずなど、分量を量って食卓にはこんだり、塩分を控えてもおいしく食べられるような工夫、そして、高齢者の方が食べやすいように、食材を小さく切る、水分の多い食事にするなどの工夫が必要です。毎日のことなので、料理する側に負担となることもあります。そのような時は、高齢者向けの食事宅配など、民間のサービスを利用することがおすすめです。