前編の特定行為詳細を続ける。
■特定行為は「技術と判断の両方の難易度を」―星委員
厚労省の修正案に対し、委員からは、特定行為の考え方や院内研修の在り方などについて意見が出た。
星北斗委員(財団法人星総合病院理事長)は、厚労省が提案した新たな特定行為の考え方に「病態の確認」が加わったことから、「技術的な難易度が高く、かつ判断のレベルが高いものと考える方が考えやすい」と指摘。特定行為の対象外となった項目に関しても、同省側が院内研修の必要性を示したことから、「院内の研修では難しいということを前提にするのであれば、当然、特定行為は一定程度絞り込まれるべきだと思う」と述べた。
また、井上智子委員(東京医科歯科大大学院教授)は、特定行為として分類された項目について、技術と判断の難易度に関する分析を再度行う必要性を示した上で、「ここで決めるのはやはり、法律の必須要素だと思う。その要素と、在るべき人というのは切り分けて考えていくべきだ」として、星委員の発言に同調した。
これに対して竹股喜代子委員(医療法人鉄蕉会・医療管理本部看護管理部長)は、「特定行為に分類したものは、基本的に大きな病院で卒後、いわゆるOJTを含めた臨床の教育の中で行うのは非常に厳しいものが、すべて含まれていると思って発言している」とした上で、「さらに絞り込むという話は、わたしが考えるいわゆる臨床の継続教育のレベルを超えている」との考えを強調。また、真田弘美委員(東大大学院教授)は、技術と判断の両方の難易度が高い項目を特定行為に位置付けることに反対の立場を示した。
一方、前原正明委員(防衛医科大学校教授)は、他の職種が実施していることを理由に特定行為の対象外としたことを問題視し、「教育の中で、『診断学としてこういう目で見る』ということも、臨床参加型の看護師さんをつくるためには必要だ」と述べた。
今回の会議には、特定看護師行為に対して、大きな進歩を遂げた。