「危ない睡眠時ブラキシズム・歯の摩耗や顎関節障害・悪影響を最小限に」のニュース。睡眠の最中、無意識に歯をこすり合わせて「ガリガリ」「ボリボリ」と耳障りな音を発する「歯ぎしり」。
音は立てないものの、強い力で歯をかみしめてしまう「食いしばり」と合わせ、「睡眠時ブラキシズム」と呼ばれる。一緒に寝ている人の安眠を妨げるだけでなく、歯の摩耗や折損、顎の関節の障害など重大なトラブルを引き起こす。なぜブラキシズムが起きるのか詳しい原因は分かっておらず、それ自体を止めることはできないが、悪影響を最小限にとどめる方法はある。
症状のうち最も多いのは歯の摩耗で、進行すると歯が割れたり折れたりする。歯が部分的に鋭利になり、頬の内側や舌、唇などの軟らかい組織を傷つけることもある。歯の動揺によって歯周病も悪化する。 顎への影響も大きい。
「歯が欠けて食事がしづらい」。昭和大歯科病院を訪れた男性はこう訴えた。馬場一美教授の問診に、男性は「朝起きた時、顎に疲労感がある。 妻に歯ぎしりを指摘されている」と告げた。口の中を調べると、奥歯が2本欠けており、残った奥歯も表面のエナメル質がすっかりすり減っていた。馬場教授は、歯の欠損によるそしゃく障害と睡眠時ブラキシズムと診断した。
キシズムといわれる。歯ぎしりと食いしばり、どちらか一方の人もいれば、両方混在する人もいる」と説明する。症状のうち最も多いのは歯の摩耗で、進行すると歯が割れたり折れたりする。歯が部分的に鋭利になり、頬の内側や舌、唇などの軟らかい組織を傷つけることもある。歯の動揺によって歯周病も悪化する。
顎への影響も大きい。睡眠中の持続的な筋収縮で、そしゃく筋の痛みや疲労感が引き起こされる。この症状は起床時に最も強く、時間がたつと消えるのが特徴だ。だが、関節にかかる力が過度になれば、それだけでは済まない。口が開けにくく、関節内の雑音などの異常が起きる「顎関節症」の発症につながる。
「通常、奥歯にかかる力は最大で自分の体重ぐらい。ところが、睡眠時ブラキシズムでは、さらに大きな力がかかることがある。覚醒時には『これ以上かむと歯が壊れてしまう』というフィードバックが働くが、睡眠中はこうした回路が機能しない」。
睡眠時ブラキシズムの多くは、浅いノンレム睡眠で発生することが分かっている。しかし、なぜ起きるのか、根本原因は不明のまま。かみ合わせやストレスの影響を指摘する説もあるが、科学的に証明されていない。患者に合わせて作製する「スプリント」という樹脂製のマウスピースだ。歯の表面を摩耗から守るとともに、歯にかかる力を歯列全体に均等に配分する。