おしゃぶりを長時間・長期使ったことで歯並びが悪くなったという訴訟も現実に起きています。おしゃぶりは子育てグッズとして普及している道具だけに、使いすぎには注意が必要ですが、禁止すれば親にも子にもストレスになります。親の都合や判断だけで使わずに、色々な人の意見を聞きながら上手に使ってほしいものです。
おしゃぶりを巡り、小児歯科医や小児科医らで作る保険検討委員会が、1歳を過ぎたら常用しないようにし、遅くとも乳歯が生えそろう2歳半までにやめましょう。」とする見解を公表しています。
静かにさせたいのか、眠る時に使いたいのか、使う頻度や時間によって歯への影響も異なってきます。授乳期から離乳食期にかけては、「吸う」から「噛む」に移行させ、上手な噛み分けを覚えるために口唇や舌、 歯根膜への刺激が必要です。おしゃぶりを使うとすぐに歯並びが悪くなるわけではないので、日頃から定期的に歯科で歯と口の チェックを受けると良いでしょう。
長時間にわたり、長い期間おしゃぶりを使用すると、歯ならびや噛みあわせが悪くなる場合があります。また、おしゃぶりをくわえていると、お母さん・お父さんが声をかけたり、赤ちゃんが声を出す機会が減り、赤ちゃんとのコミュニケーションも少なくなります。おしゃぶりは早めに卒業しましょう。また、歯ならびや、口や唇の形が心配な場合には、早めに歯科医師等の専門家に相談するようにしましょう。
おしゃぶりによる「歯列や顎の変形」を「重大製品事故」として、経済産業省に報告するよう義務づけました。おしゃぶりによる「歯列や顎の変形」は省令で定める「身体の障害」、政令で定める「治療・治癒に30日以上要するもの」に該当するものとし、国は販売メーカーに対して「重大製品事故」として経済産業省への報告を義務づけました。
幼児期におしゃぶりによって変えられてしまった成長ベクトルは、交叉咬合や下顎前突など、成長と共に取り返しがつかない重篤な顎顔面変形を引き起こす。矯正治療や手術をしても、本来成長すべきであった美しい顔貌に戻すことはおよそできない。できる限り早く異常を発見し、おしゃぶりの使用を中止して、早期に低位舌の改善など口腔機能を正常に戻す努力が必要である。