「マイクロエンド」とは、肉眼では見えないほど小さな患部でも拡大して確認できる機器「マイクロスコープ」を使用した根管治療を指します。根管は肉眼では見えないほど小さく、複雑な形状をしています。
目視できないためほとんどの医院の根管治療は医師の経験と勘に頼って行われていますが、その分失敗するリスクも低くはありません。そこで導入されるようになったのが手術用の電子顕微鏡「マイクロスコープ」です。マイクロスコープを使用することで根管治療の精度は格段に向上します。
顕微鏡を用いた精密な根管治療により従来の根の治療と比較して良好な治療成績が得られるようになりました。歯の根に起因する問題に対して結果的に歯を抜かないで済む確率を向上する為に重要な治療法です。欧米では、根管治療におけるマイクロスコープの使用が常識となっている中、日本でマイクロスコープが導入されている歯科医療施設はまだ数パーセントにすぎません。
より精度の高いマイクロエンドを実現するために、マイクロスコープをはじめとした専用の機器・器具を使用しています。手術用の電子顕微鏡です。患部を数倍~数十倍にまで拡大できるため、肉眼では見えない根管も正確に治療できます。歯科先進国では多くの医院に導入されていますが、日本ではわずかな台数しか導入されていません。
根管治療を行う歯に金具を取りつけ、その歯以外をゴムの膜で覆うための器具です。治療に使用する薬液が患部以外に漏れるのを防ぐほか、唾液などによる細菌感染も防げます。抜髄に使用する器具です。従来使用されていたステンレス製のファイルよりも柔軟性があり、歪曲した根管内も問題なく処置できます。
歯の根の問題で何度も根の治療をやり直した経験をお持ちの方は多いと思われます。また、最終的に抜歯を余儀なくされる場合も少なくありません。そこで、歯を大切に保存する為にも歯の神経の治療、根の治療が必要な場合はマイクロスコープを使った精密根管治療により原因となる感染物質を可及的に取り除き治療の確実性、成績の向上を図れることがメリットといえるでしょう。