4月に日本訪問歯科協会ブロック研修会が各地で開催されました。今回のテーマは「医療サービスは進化する」。「そこまでするかモンスタークレーマー」など、多数の苦情・クレーム関連の本を書かれている関根眞一先生を講師に迎え、とても興味深いお話しをいただきました。
広島と福岡会場には、協会理事長の守口先生が盛岡から駆けつけられました。いつもでしたら広島まで新幹線を乗り継いで来られますが、東北新幹線が復旧していないなか、花巻空港から伊丹空港まで飛行機で飛び、その後タクシーで新大阪駅まで向かい、そして新大阪から新幹線で広島に、やっとの思いで来られたそうです。
守口先生は被災地の状況について「現場は壮絶な状況だが、そのなかで歯科医師が奮闘している。被災された患者さんも多く外来が減少しているので、訪問診療をやっていないと大変。診療所に被害が出たり、訪問診療の依頼を受けたりで、たとえ訪問をやっていなくてもポータブルユニットは備えておくべきである」とおっしゃったのが印象的でした。
ブロック研修会に参加された先生から「自分と患者さんの立場の違いを理解し、これからの患者さんとの接し方について考えないといけないと思った」等々、感想をいただきました。多くの参加者の方がクレーム対応に役立つ知識を得られたようです。そこで今回は、ブロック研修会で関根先生から伺った、患者さんの苦情から学3つのポイントついてお伝えします。
1つ目のポイントは、クレーマーは医院によって作られるということです。苦情をいってきた人を単純にクレーマーと決めつけてはいけません。医院側に問題がある場合もあるので「クレーマー」というレッテルを貼って応対するのは、せっかくの学びのチャンスを失ってしまうことになります。
2つ目は、苦情・クレームを医療サービスの向上につなげるという点です。1人の患者さんのクレームから学ぶことによって、医院全体のサービス向上ひいては大きな競争力がついてきます。
3つ目は、クレーム対応の誤解についてです。今までの常識ではクレームは迅速な対応が1番と言われていました。しかし、クレーム対応で最も大切なのは、表現力や言葉の使い方です。慌てて即答せずに、まず相手の話を十分に聞いて適切な言葉で回答をすることが重要です。