食事やおやつのあと、すぐにみがくのが理想です。食べかす(特に糖分)が残ったままの時間が長いと、虫歯菌が糖分を分解して、ネバネバしたのり状の物質を作り、膜のようにはりつきます。これを歯垢(プラーク)といいます。歯垢は、虫歯菌(その他歯周病菌など)の大集団のようなもので、歯の表面を溶かす酸を作り出します。歯垢の付着は素早く、食後すぐに始まります。歯みがきの目的は、歯の表面からこのやっかいな歯垢を取り除くことなのです。超音波クリーナー は大事です。
ただし、歯の表面には、いつも唾液が流れていて、汚れを洗い流しています。また、歯はいったん溶け出しても、唾液の中からカルシウムやリンなどを取り込み、再石灰化してもとに戻る力をもっています。しかし、古い歯垢をためていたり、糖分をたくさんとる習慣があると、再石灰化はむずかしくなり、虫歯になっていきます。 食後の歯磨きは食べかすの清掃であることに間違いは無い。しかし寝る前の歯磨きはそうではない。
人間は寝ている間唾液の分泌量が大きく減少する。唾液には殺菌作用があり、これが減少することにより口の中の細菌の数がどんどん増えていく。だから朝起きてすぐは口の中が気持ち悪い。細菌の増殖は1→2になり、2→4になる。だから寝る前に少しでも細菌の数を減らしておくことには大いに意義があると思わないだろうか。 歯磨きは「朝食後」「昼食後」「夕食後」「寝る前」の4回が望ましい。
タイミングは食後できるだけ早く。最近食後30分は磨かないほうが良いという意見がある。これは食事のときに唾液の分泌量が増え、食後もしばらくそれが続くため殺菌作用や唾液による「再石灰化」を期待できるという意見である。むし歯は食べかすなどを細菌が分解し、そのときに酸が発生し歯を溶かすことから起こる。なのに食べかすを口の中に置いておいてもいいのだろうか?「再石灰化」は有り得ることだが、これで虫歯が治るのか?たくさんの唾液によりこれらの効果があるとして、食事だけでなく歯を磨いたときも大量に唾液が分泌されるから、食後すぐに歯を磨いても唾液の分泌を止めるわけではないと思うのは私だけか?やはり私は食後できるだけ早く磨くほうがいいと思う。
大切な事は、子供さんが嫌がるようなら無理強いしない事です。歯ブラシに慣れさせるために、歯ブラシをお子さんに持たせる方がいらっしゃいますが、口に入れたまま転ぶと大けがのもと。どうしてもというなら、握り手のところに、丁度刃のつばのような形の補助具のついた子供用歯ブラシがあるので、それを使って下さい。もちろん、小さくても歯ブラシを嫌がらず、歯を磨かせてくれるのなら、磨いてあげてもいいのです。超音波スケーラーは大人気です。
普通の小児用歯ブラシを使っての歯磨きは、乳歯の臼歯(D・E)が生え、なおかつ歯磨きの重要性を、お子さんが理解できるようになってからでも遅くはありません。子どもが自分で歯みがきができるようになるのは、小学校低学年ごろになるでしょう。それまでは面倒でも、仕上げ磨きをしてあげる方が無難です。
歯は食後に必ず磨かなければなりませんが、いつ磨くのが良いかについては唾液の作用から考える必要があります。唾液には洗浄作用、酸緩衝作用、抗菌作用、創傷治癒促進作用などがあります。虫歯の原因菌は食後数秒で酸を出して歯を溶かしますがこの酸を中和して虫歯にならなくするのが酸緩衝作用です。この作用は1時間程かけて行われるのでこの作用が終わる頃に歯を磨くのが効率が良く理想的です。