治療済の歯の根が割れるトラブルのことを「歯根破折」といいます。これまで、歯を失う原因のほとんどが虫歯と歯周病とされていましたが、最近になって歯根破折が原因でやむなく歯を抜かなければならないというケースが増えてきています。
きちんと治療をしてあるはずの歯が急に痛みだしたり歯茎が腫れたりした場合は、この歯根破折がまず疑われます。歯根破折は、軽度の虫歯治療の場合にみられることではなく、いわゆる「さし歯」などの治療を行った歯に多くみられ、それも治療後治療後5〜15年という長い年月を経てから起きるトラブルです。 歯科x線は必要です。
歯根破折は理論的に感染源を除去して、再感染しないように歯科材料で破折部を密閉できれば治ります。しかしながら現在の歯科医療では歯根破折に対して、感染源を除去する方法、破折部を完全閉鎖して接着する確立した治療法はありません。それゆえ、保存療法を行って症状がなくなったとしても、再度症状が出る可能性があります。 根管治療は大切です。
抜歯した場合
1. 抜歯した後、そのまま(対合歯が挺出する可能性がある)
2. 部分入れ歯を入れる(たいていの人が使わなくなりますが・・・)
3. 手前の歯を支えにして「延長ブリッジ」(脱落の可能性が・・・)
4. インプラント(人工歯根)を植える
【近心根だけを分割抜歯した場合】
1. 遠心根と手前の歯とで「ブリッジ」にする(延命処置的ですが・・・)
2. 遠心根を単独で修復し、隙間を部分入れ歯・・・ にはしないか
歯茎が腫れる
まるで歯周病が進行したかのように、その前後の歯に比べて明らかに腫れたり膿んだりする。
歯茎におできが出来る
歯にヒビが入っている状態では、外から目視で確認できないため、根の先に膿の袋が出来る歯根嚢胞(歯根嚢胞)と同じ症状となることも。
差し歯が取れる
何度戻しても良く取れる前歯の差し歯は、歯の根が割れて開き土台が抜け落ちたため。もし差し歯に金属などの棒状のものが付いていたら、歯の根にヒビが入った可能性が高い。棒状の土台が長ければ長いほど歯根破折の確率も高まる。
違和感
噛むと痛んだりしみたりするが、噛まなければ痛まない。歯の根にヒビが入っているときによく見かける。
無症状
割れたり折れたりしても、膿などが少量の場合、数年間も痛みなどの自覚症状がないこともある。
根の病気が改善しない
根の治療を繰り返しても、腫れや根の奥からでてくる膿がなかなか止まらない、治療の効果が挙がらない場合、既に歯にヒビが入っている場合も。
激痛
ごくまれに神経が生きている歯でも強く噛み締めたりすると割れてしまうことがあります。そんな時は当然激痛となります。