トリボスフェニック型臼歯とは

“tribosphenic”型臼歯のトリボスフェニックとはトリボス(tribos=摩擦)とスフェン(sphen=くさび)の合成語で、”噛み砕き“あるいは”すりつぶし“と”切断“あるいは”切り裂き“の2つの機能を同時に備えている臼歯をいう。イヌやサルなどの高等哺乳類の根幹をなす原始食虫類がもっている歯で、この臼歯からすべての高等哺乳類の歯はその形を多様に分化をしながら進化してきた。和訳では「楔状摩擦型」などの用語があてられている。我われの歯の形もこのトリボスフェニック型臼歯が基になってできている。

この歯の形態はヒトの歯と基本的によく似ている。上顎のトリボスフェニック型臼歯の特徴はヒトの上顎大臼歯に比べて遠心舌側咬頭の高さが低く、大きさが小さい構造をしている。また頬側にある2咬頭よりさらに頬側に小咬頭を有している点である。下顎でもヒトの下顎大臼歯に類似しているが、近心舌側咬頭の前方に1個の咬頭(パラコニッド)を有している点が大きく異なる。その他に違っている点は、上下顎臼歯とも咬合面は平坦でなく、近心部が高く、遠心部が低いこと、各咬頭を結ぶ隆線や尖頭が尖って鋭く、鋭角的であることである。

この歯のもつ2つの機能のうち”噛み砕き“あるいは“すりつぶし”の機能は上顎大臼歯の近心舌側咬頭(プロトコーン)と下顎大臼歯の中心窩(タロニッド・ベイスン)、下顎大臼歯の遠心頬側咬頭(ハイポコニッド)と上顎大臼歯の中心窩(トリゴーン・ベイスン)で行われる。歯科医にとって最も基本となる上下顎の咬合関係は、実は哺乳類の基幹に位置する初期食虫類の歯の構造まで遡ることが出来ることになる。この咬合関係はおよそ1億年前に確立された原始的な形態構造であることに留意してもらいたい。
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歯の種類によっては上顎のハイポコーンと下顎のプロトコニッド、メタコニッド、パラコニッドにより囲まれる窩(トリゴニッド)の間でも“噛み砕き”と“すりつぶし”機能が営まれているが、霊長類ではメタコニッドの近心にある咬頭(パラコニッド)が欠如するため、この機能はみられない。

もう一つの “切断”あるいは“切り裂き”機能として、上顎大臼歯のパラコーンとプロトコーンを結ぶ隆線と、下顎大臼歯のプロトコニッドとメタコニッドを結ぶ隆線があり、互いにナイフのように鋭くすれ違って、ハサミやカッターのように物を切り裂く作用を形作っている。もう1ヶ所すれ違い機能が見られる場所は、上顎のプロトコーンとメタコーンを結ぶ隆線と、下顎の一つ後方の歯のプロトコニッドとパラコニッドを結ぶ隆線がある。しかし、ヒトを含めた霊長類ではこのパラコニッドは欠如していることから、切断の機能はここでは行なわれていない。ヒトでは各咬頭を結ぶ隆線は上顎大臼歯の対角隆線を除いてはっきり現れることはない。
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肉食類であるライオンなどの上下顎臼歯も始めはトリボスフェニック型の歯から始まり、それぞれの機能を変化しながら、現在ある形に歯は進化してきた。歯の機能をみると、“すりつぶし”機能として働く部位の構造は臼歯にわずかしかみられない。それに対し“切断”機能は逆に非常によく発達し、結果的に臼歯の形は横からみると咬頭や隆線が鋭く三角形をし、ヒマラヤ山脈の様相を呈し、肉を引き裂くのに適した構造(切断歯型)になっている。
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一般に食肉類の臼歯の歯冠は鋭い隆縁や尖頭を備えており、鋭縁歯と呼ばれている。動物によっては鋭縁歯のうち上顎第4小臼歯と下顎第1大臼歯の形態がとくに巨大となり、ハサミのように肉を鋭く引き裂くように発達した歯(裂肉歯)を有している。ネコやイヌではこうした裂肉歯をもち、“切断”機能を発達しているが、近年にみられるようなドッグフードやキャットフードではこの歯の働きが十分発揮されることは残念ながらあるとはいえない。ただ単に食餌を噛み、砕くという行動をしているだけである。

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