歯を白くする [ ホワイトニング ] とは、ホワイトニング剤を歯の表面に塗布し、エナメル質内に入り込んだ着色物質を分解し除去する方法です。歯の変色は、コーヒーやお茶、赤ワインなどの色のついた飲食物の色素が歯の表面から沈着するもの、加齢によるもの、薬物によるもの、喫煙などいろいろな原因があります。
メカニズム その1 「ホワイトニング剤による着色物の分解」。ホワイトニング剤に主成分として含まれる過酸化水素や過酸化尿素は一定温度になると、酸素と水に分解します。この分解時に発する酸素が、歯の着色物を無色透明に分解します。
メカニズム その2 「歯の表面に光を乱反射させるマスキング効果」。エナメル質の色素が無色透明になっただけでは歯は白く見えません。なぜならば、エナメル質の色は白色ではなく、半透明で下層にある象牙質の色は黄色 みがかっているため、エナメル質の色を無色透明にしても、黄色い象牙質の色が透けて見えることになるので、歯は白く見えないのです。
歯を白く見せるためには、曇りガラスのようなマスキング効果も必要です。エナメル質は無数のエナメル小柱が束になってできています。ホワイトニング 剤から発生した酸素は、エナメル質表層のエナメル小柱の構造を角状から球に変化させる作用があります。球状となったエナメル小柱表面に光が乱反射して、曇 りガラスのようなマスキング効果を得ることができ、結果として歯が白く見えます。
ホワイトニングは日焼けに似ています。真夏の太陽の下、「一度でどのくらい焼けるか?」には個人差があるように、歯もどのくらい白くなるかは人それぞれです。 逆に時間をかければ、日焼け同様、効果の出にくい人でも徐々に白くなっていきます。
歯には、白くなりやすい歯と白くなりにくい歯の傾向もあります。一般的に、歯に縞模様があったり、歯がグレー色の場合はホワイトニングで白くすることはやや困難です。逆に一度で白くなりやすい歯としては、歯年齢が若いことです。また、歯が脆く脱灰が起きやすい人も1度で白くなりますが、これは漂白というよりは、歯の表面組織の崩壊なので注意が必要です。
1 自宅でホワイトニングと治療期間
自宅でホワイトニングできちゃうなんて、とっても便利!でも自己管理だと やっぱりちゃんとできているかどうか不安になっちゃいますね。 そんな方のために簡単にホームホワイトニングの手順を説明しますね。
ホームホワイトニングはクリニックで型を取って作ったマウスピースと、 スケーラー薬剤を使って自宅でホワイトニングする方法です。
マウスピースの装着前には必ず歯を磨いて歯の汚れを取り除いておきましょう。 またマウスピースの水分を綺麗にふき取ってから薬剤を注入し、あとはずれない ようにしっかりと歯に装着するだけです。 マウスピースは透明なので目立たないし、柔らかい素材で作られているので、 会話の際も苦になりません。
マウスピースの装着時間は日中なら2時間から4時間程度、就寝時は4時間から 8時間程度の装着になります。 寝てる間にホワイトニングできちゃうっていうのも魅力ですね。
マウスピースを取り外したあとは、マイクロモーター 歯科歯に残った薬剤を取り除くために丁寧に歯磨きを行います。 またマウスピースにも薬剤が残っているので歯ブラシなどを使って取り除いておきましょう。
ホームホワイトニングって難しそうって思っている人も多いかもしれませんが、寝ている時間を利用してなら 苦にならず続けられそうな気がしますね。事実私も寝ている間を利用してホワイトニングするように なってから、効果があがりましたので。
ホームホワイトニングは濃度の低い薬剤を徐々に浸透させ、 歯を白くしていくホワイトニング方法なので、ある程度の治療期間が 必要だということを覚えておきましょう。
歯の変色の程度や原因によって治療期間には違いがあります。 効果の現れ方も個人差があるようですが、毎日ホームホワイトニングを 行うことによって通常なら2週間程度で効果が現れてきます。 その後1~2週間継続してホームホワイトニングを行うことによって、 より安定した効果を実感することができます。
またホームホワイトニングによる良い効果を得るためにも、治療中、 そしてホワイトニング終了後30分から1時間程度は飲食や喫煙を 控えるようにしましょう。 できれば、ホームホワイトニングの治療期間中は、歯科用コーヒーや紅茶、 タバコといった色素の濃いものはなるべく控えた方が 良い効果を得ることができます。
また一度白くなった歯を持続させるためには、日ごろのお手入が大切です。 食後の歯磨きをしっかりと行い、清潔に保つことが白さを保つポイントとなります。
ホームホワイトニングは自己管理のもと、継続して行うことが大切なホワイトニングです。 どうしても自分では継続できそうにない!もう少し短期間で白い歯を手に入れたいという方は、 オフィスホワイトニングとの併用治療も行われているので、専門医で相談してみると良いでしょう。