その昔、唐の詩人杜甫は美人の誉れ高い楊貴妃を、「明眸皓歯」という言葉で讃えました。明眸皓歯とは、澄んだ明るい瞳ときれいな白い歯並びをさします。これが当時の美人の条件だったとしたら、おそらくそれは今も変わらないのではないでしょうか。
きれいな歯並びによって得られるメリットは、計り知れません。まず、笑顔が変わります。若々しくて明るい笑顔になります。そして清潔感と知的な印象を人に与えることができます。
またきれいな口元は、アンチエイジングにもつながります。歯並びが悪かったり、歯が一本でも欠けていたりすると、それだけで老けて見られてしまうものです。こうした外見的な変化は、心のありようにも大きな影響を与えます。自信や積極性は、自信のもてる外見から得られることが多々あります。私は口元の外見的な変化よりも、外見が変化したことによって得られる内面の変化のほうが、はるかに大きなメリットではないかと思っています。
先ほどの三人の手記(お客様の声)からもわかるように、歯並びに自信がもてるようになったことが内面の自信につながり、積極的な生き方ができるようになる。今まで諦めていたことを、諦めなくてすむようになる。それによって人生が大きく変わることもあるのです。
さらに歯並びがよくなれば、発音もよくなります。歯並びが悪いと空気がもれやすく、サ行やタ行が発音しにくくなります。聞き取りにくい会話は、仕事や対人関係にマイナスになることもあるでしょう。 歯並びが悪いことで、あなたがもっている本来のよさが失われているとしたら、大きな損失ではないでしょうか。きれいな歯並びを手に入れることは、もっと輝いているほんとうの自分を見つけることでもあるのです。
何となく首や肩がこる、腰が痛い、頭が重い、便秘がちである……。みなさんにはこんな症状がないでしょうか。原因不明で起きるこうした不定愁訴は、じつは歯並びに起因していることが少なくありません。
歯並びが悪いということは、噛み合わせがよくないということです。この悪い噛み合わせを放置しておくと、さまざまな弊害が生じてきます。
たとえば、歯並びが悪くていつも片方の奥歯だけで噛んでいるとしましょう。正常な噛み合わせなら、噛みしめた奥歯には約60キロの力がかかるといわれています。ところが片側噛みだと、噛んでいる側の歯や顎や関節、筋肉、さらには頸椎に、その四倍もの無理な力がかかるのです。これが全身のバランスを崩す要因になり、原因不明の体調不良を招くのです。
この片側噛みが続くと、顔が非対称になったり、鼻筋が曲がったり、片方の肩が下がったりしてきます。これがさらに全身のゆがみをひどくするという、ゆがみの連鎖の原因になるのです。