食事をしていて、何となく歯がざらざらしたり、歯が溶けたような感覚ってありませんか?でも、必ず虫歯につながる訳ではありません。歯を溶かすプラークと歯を守る唾液が戦っているんですね。口の中ではどのようなことが起こっているのでしょうか。
プラークは、唾液の集まりにくいところにたまり、砂糖などを利用して酸を作ります。そこからカルシウムなどのミネラルを奪います。これを脱灰といいます。すると、プラークに覆われている歯の表面はざらざらになります。そしてそのままにしていると、歯のエナメル質がやわらかくなって小さな穴が開きます。そこにいろんな細菌が入り込んで虫歯になります。このとき冷たいものがしみるようになるので、虫歯の自覚症状が表れます。
しかし、40~60分もすると、唾液の働きによって酸性になっていた歯の表面が中性に戻ります。穴が開いてもそこには再びミネラルが沈着し、虫歯が進行するのを防いでくれます。これを再石灰化といいます。脱灰と再石灰化は食事のたびに繰り返されますが、脱灰の力が強くなったり再石灰化の力が弱くなると虫歯は進行します。
やがて様々な条件によってミネラルが流れ出し、歯髄に炎症が起こります。温かいものがしみるようになったり痛み出したときは、かなり進行している状態です。この痛みは歯髄の痛みです。痛みが治まった頃には、歯髄は腐っているでしょう。そしてその後もプラークは骨を溶かしたり膿を持つようになります。
毎日の歯磨き。普通の歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやマウスウォッシュなどを使い分けます。唾液の分泌が少なくなる眠る前は特に歯磨きが必要です。忙しくて1日3回歯を磨けない人も、1日1回をしっかり磨くようにしてみましょう。食事の摂り方に気をつけます。甘いものは控えめにし、だらだら食べないようにします。咀嚼をして唾液を分泌するようにします。
歯医者さんにフッ素を塗ってもらい、歯磨きの指導をしてもらいます。PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)といいます。専門家の歯のお掃除です。プラークの染め出し・歯垢や歯石の除去・研磨剤を使った磨き上げ・フッ素の塗布をします。虫歯や歯周病の予防だけでなく、歯がぴかぴかになります。