「削る、詰める、被せる、入れる」。いまだ歯科治療に対してそのようなイメージを持たれている方は少なくないのではないでしょうか。しかし、時代は変わりました。悪くなってから歯を削ったりするのではなく、悪くなる前に定期検診を受診することの大切さに気づく、デンタルIQの高い、かしこい市民が増えています。
さらに近年、お口のトラブルが全身の疾患に関係していることが明らかになってきました。お口の健康を保つことは、全身疾患の予防・改善につながっているのです。今回のフォーラムでは「健やかな毎日を送るためのヒント」について、各界でご活躍されている講師の先生方に御講演頂きます。皆様と一緒に学ぶ機会とさせていただきたいと存じます。
お口の健康と関連の深い全身疾患の一例として、歯周病と糖尿病の関連性が挙げられます。もちろんそれは研究の素晴らしい成果ではありですが、歯科医師が単独で歯周病治療を行なうだけでは不十分だと思っています。
その研究成果を市民に十分に享受して頂くためには、医科・薬科・歯科が連携し、それぞれの専門分野における糖尿病についての知識・経験を持ちより、より良い医療環境を構築する必要があります。
社会の高齢者人口が増加の一途をたどる現在、在宅で病院に通うことが不可能な方へは、我々が荷物を携えて伺う必要が出てきます。これは、医療に携わるものの務めと言って良いかもしれません。その際、必要とされるのは口腔ケアだけではありません。
先程も申し上げましたような、医師、薬剤師に私ども歯科医師を含めた連携体制が市民の基本的医療環境を支え、看護師さん・歯科衛生士さんや理学療法士さん・言語聴覚士さん・介護士さん・栄養士さんやケアマネージャーさんなど、多方面の方々とタッグを組み、質の高い医療を提供していきたいと考えています。
医師会・薬剤師会・歯科医師会の三師会を中心とし、行政や柔道整復師会の先生方にも参加いただき災害時医療の訓練をおこなっていますが、地域の篤志家の皆様のご協力なくしては成立しない事業です。その一例として、地域のアマチュア無線同好会の方々のご協力を頂いています。
災害時には連絡手段が限られ、孤立してしまうケースが考えられます。その際、無線で連絡をおこなうことで必要な物資を催促したり、場合によってはヘリコプターの出動を要請するのに、アマチュア無線の方々のご協力は大きな支えとなっています。
先の大震災の教訓を生かし、地域の皆様のご協力を賜り、よりベストな災害時医療を模索・構築していきたいと考えています。昨年3月の東日本大震災では、青葉区歯科医師会から4名の先生が、医療ボランティアとして現地に赴きました。大変なご苦労を余儀なくされている方々の様子をつぶさに見ることとなりましたが、なかで歯科医師として印象に残っている光景があります。
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