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喫煙が歯周組織に与える影響

タバコの煙には、ニコチンやタール、一酸化炭素をはじめとする数百種類の有害物質が含まれています。喫煙が、がんや心臓病、脳卒中、高血圧など多くの病気に悪影響を与えることはよく知られていますが、タバコの煙が最初に通る口の中も、その影響を免れることはできません。日本歯周病学会によると、喫煙者は非喫煙者に比べて2~8倍も歯周病にかかりやすいといいます。   1毛細血管が収縮して歯肉(歯ぐき)の血流が悪くなり、酸素や栄養が十分に供給されなくなる。 2唾液の分泌が少なくなり、う蝕(虫歯)や歯周病の原因菌が増殖しやすくなる。 3体の抵抗力が弱まり、傷ついた歯周組織を修復する能力が低下する。 日本歯周病学会の歯周病分類(2006年)では、喫煙関連歯周炎(periodontitis associated with smoking)と診断します。   歯肉(歯ぐき)からの出血は、歯周病を発見するサインの一つです。ところが喫煙すると歯肉(歯ぐき)の血流が悪くなるため、歯肉(歯ぐき)が炎症を起こしても出血しにくく、かつ、歯肉(歯ぐき)もメラニン色素が沈着し黒ずむため、炎症反応をわかりづらくし、自覚を遅らせ知らない間に症状が悪化して歯を失う恐れがあります。   また、喫煙者は歯周病の治療効果が得られにくいことがわかっており、非外科治療、外科治療(歯周組織再生治療,インプラント治療を含む)の経過も思わしくありません。歯周病は成人が歯を失う大きな原因ですが、喫煙者が歯を失うリスクが高いことを裏付けるデータがあります。   厚生労働省や日本歯科医師会が推進する「8020(ハチマルニイマル)運動」では、高齢になっても自分の歯で不自由なく食事を楽しめるよう、80歳になっても20本以上の歯を保つことを目標にしています。   国立がん研究センターの多目的コホート研究によると、現在または過去に1日に21本以上タバコを吸う男性が9本以上歯を失う(歯が20本以下になる)リスクは、非喫煙者の約2倍。なかでも過去に31年以上喫煙経験のある人では、非喫煙者に比べて約3倍も歯を失うリスクが高くなるという結果が出ました。   この調査で、喫煙本数が多いほど、また喫煙年数が長いほど歯を失うリスクが高まる傾向が確認されました。調査対象のなかで女性の喫煙者が少なかったことから、女性に関しては分析を行っていませんが、男性と同様の結果が予想されます。喫煙者が歯を失うリスクが高いことは、そのほか国内外のさまざまな調査でも明らかになっていますし、受動喫煙でも歯周病のリスクが高まるという報告もあります。   喫煙は歯周病だけでなく、歯の着色や歯肉(歯ぐき)の黒ずみ、口臭も引き起こしますから、お口の健康を守るためには禁煙が欠かせません。禁煙をすると数週間で歯肉(歯ぐき)の血流に改善がみられるなど、歯周病のリスクは確実に軽減します。 歯科用ルーペ 重合器 歯科用拡大鏡      

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詰め物と歯の境目から細菌が侵入

大人と子どもでは、う蝕(虫歯)ができやすい場所に違いがあります。しかも、気づいたときには歯を抜かなければならないほど進行していることも・・・・・・。歯周病だけでなく、う蝕(虫歯)への対策も万全に!   う蝕(虫歯)は子どもに多いと思っていませんか? 厚生労働省「歯科疾患実態調査」によると、1987年には、5~9歳の43.3%(*)にう蝕(虫歯)がありましたが、2005年には14.6%に減少しています。一方、2005年における20歳以上のう蝕(虫歯)の割合は、各年代で90%(*)を超えています。これは、1987年に比べてほぼ横ばいか、増加傾向を示しています。大人は歯周病だけでなく、う蝕(虫歯)にも十分な注意が必要なのです。   歯と歯の間、歯と歯肉(歯ぐき)の境目、奥歯のみぞがう蝕(虫歯)になりやすいのは、大人も子どもも共通です。しかし大人の場合は、これらに加えて特に気をつけたいポイントが2つあります。   1つは、治療によって詰め物やかぶせ物をした歯にできる「二次う蝕(虫歯)」です。治療済みの歯が危ないのには、いくつかの理由があります。   そもそもう蝕(虫歯)ができた部分というのは、歯ブラシが届きにくかったり、歯並びがよくなかったりして、プラーク(歯垢)がたまりやすい場所です。そのため、正しいケアの方法を身につけないと、治療したとしても再びう蝕(虫歯)になりやすいといえるでしょう。   また、詰め物やかぶせ物と歯の間にすき間があると、そこからう蝕(虫歯)の原因菌が入り込んでしまいます。ところが、歯の表面と違って、詰め物やかぶせ物に隠れて、う蝕(虫歯)ができてもなかなか気づきません。   そのうえ、治療の際に歯が削られているため、菌が歯の奥のほうまで達しやすいほか、神経を抜いてある歯の場合はう蝕(虫歯)が進行しても痛みを感じません。歯科医院を受診するころには、抜歯が必要なほど症状が進行してしまっていることも珍しくないようです。   30歳代以降では、歯周病や誤った歯磨きなどの影響で、年齢を重ねるにつれて歯肉(歯ぐき)がやせていき、歯根が露出するようになります。歯根の表面は歯冠(歯の頭の部分)とは異なり、硬くて丈夫なエナメル質で守られていないため、プラーク(歯垢)がたまるとう蝕(虫歯)になりやすいのです。 重合器 歯科用拡大鏡 歯医者 鏡    

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禁煙やカルシウムの摂取で予防を

歯周病と骨粗しょう症の関係は1960年代から注目されるようになり、これまでに数々の研究結果が報告されています。愛知学院大学短期大学部の稲垣幸司教授らの調査では、次のことがわかっています。   1閉経後の女性で骨粗しょう症になっている人は、そうでない人に比べて歯周ポケットの出血率が高い、すなわち、歯周病の活動性が高く進行している傾向がある。 2閉経後の女性で骨粗しょう症になっている人では、歯を支える歯槽骨の吸収が進んでいる割合が高い。 3中指の骨密度の低下が進んでいるほど、残っている歯の数が20本未満である割合が高い。 4歯周ポケット内では、T細胞やB細胞の異常、インターロイキン1(interleukin-1、IL-1)、IL-6、IL-8、腫瘍壊死因子(tumor necrotic factor-α、TNF-α)などのサイトカイン、炎症性メディエーターであるプロスタグランジン(PGE2)の異常亢進が起きやすい。   エストロゲンには、骨の破壊だけでなく、歯周組織の炎症を抑える作用もあります。そのため閉経によってエストロゲンの分泌が減少すると、骨粗しょう症に加えて、歯周ポケット内では炎症性の物質(サイトカインなど)が出やすくなり、歯周組織の炎症も進行しやすいと考えられます。   また、歯周組織の炎症が進むと歯槽骨が溶けて歯がぐらつくようになりますが、骨粗しょう症の人では歯槽骨がもろくなっているため、その進行が加速され歯を失うリスクも高まります。   一方、歯周病を治療することで、骨粗しょう症の進行も抑えられる可能性があります。骨粗しょう症のある閉経後の女性を対象にした稲垣教授らの調査では、歯周病の治療により歯周組織の炎症をコントロールできている人は、骨粗しょう症の治療を受けていなくても、骨密度の低下の進行を抑えることができていました。 また、閉経後の女性に対してエストロゲンを補うホルモン補充療法を行うと、全身の骨の状態が改善するとともに、歯槽骨の状態も改善し、歯を失うリスクが低下するというデータもあります。   骨粗しょう症患者が増える60歳代以降は、歯周病により歯を失う人が増える年代と重なります。とくに閉経後の女性は、歯周病と骨粗しょう症の対策を同時に行うことが大切といえるでしょう。まず、タバコは歯周病も骨粗しょう症も悪化させるので、タバコを吸っている人はぜひ禁煙を。   そして、毎日の食事も大切です。カルシウムの摂取量が少ないと、歯周病のリスクが高まることがわかっています。カルシウムは骨の材料となり、骨粗しょう症の予防にもなりますから、カルシウムが豊富な牛乳・乳製品、大豆・大豆製品、緑黄色野菜、小魚などを積極的にとるようにしましょう。   また、カルシウムの吸収を助けるビタミンDやビタミンKを含む食品も一緒にとりたいものです。ビタミンDはきくらげ、しらす干し、さけ、いわしなど、ビタミンKは納豆、わかめ、春菊、小松菜、ほうれん草などに多く含まれています。   もう一つ注目の栄養素があります。それは、大豆・大豆製品に豊富に含まれるイソフラボンで、体内でエストロゲンに似た働きをします。稲垣教授らの調査では、閉経後の女性がカルシウムと一緒にイソフラボンを摂取したところ、カルシウムだけを摂取したときより、歯槽骨の骨密度の低下や、歯周組織の炎症を抑える効果が高まりました。 光重合 led光重合器 歯科用品      

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歯周病と骨粗しょう症

お口の健康と骨の健康は、一見関係がなさそうに思えます。しかし、閉経により女性ホルモンの一種であるエストロゲンの分泌が減少すると、骨密度が低下して骨粗しょう症を発症するリスクが高まるだけでなく、歯周病も悪化しやすいことがわかってきています。カルシウムの摂取は歯周病予防にも骨粗しょう症予防にもなるので、とくに更年期の女性は積極的にとりましょう。   歯周病は、歯周病原細菌に感染することで歯周組織に炎症が起こる病気で、糖尿病や動脈硬化、心筋梗塞、肺炎など、全身の病気とかかわりが深いことがわかっています。骨粗しょう症もその一つです。   骨粗しょう症は、骨の量が減ってもろくなり、折れやすくなっている状態、もしくは骨折を起こした状態のことです。骨は常に、古い骨を壊して新しい骨を作り出す「骨代謝」をくり返して強度を保っていますが、骨粗しょう症ではこのバランスが崩れて骨を作る量よりも骨を壊す量の方が多くなり、骨がもろくなってしまいます。   骨密度は20歳頃でピークに達し、その後は年齢とともに少しずつ低下していきます。そのため骨粗しょう症の患者さんは中高年に多く、とくに60歳代以上の女性によくみられます。   女性ホルモンの一種であるエストロゲンには、骨の吸収を抑える働きがあるため、閉経に伴って女性ホルモンの分泌が大幅に減少すると、骨密度も急激に低下してしまうのです。男性も年齢とともに骨密度が低下しますが、女性のような急激な変化はみられません。   骨粗しょう症の原因はほかにも、運動不足、栄養の偏り、お酒の飲み過ぎなどの生活習慣や、喫煙、ステロイド薬などの薬剤、バセドウ病、関節リウマチ、糖尿病といった病気の影響もあります。   骨粗しょう症が進行すると、ちょっと転んだだけでも骨折しやすくなります。高齢者では骨折をきっかけに介護が必要になったり、寝たきりになることが多いため、骨粗しょう症対策は重要です。 重合器 光重合器 歯科用 光重合器          

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着色・変色の原因はさまざま

変色した歯を白くするホワイトニングへの関心が高まっています。う蝕(虫歯)や歯周病のない健康な歯を手に入れたら、次は美しい口元を目指してみませんか? 白く輝く歯は、あなたの魅力をより引き立たせてくれるはずです。   口元はその人の印象を大きく左右します。テレビなどの影響で真っ白な歯にあこがれ、自分の歯の色はおかしいのでは? と悩む人もいるようですが、本来の歯の色は、「真っ白」ではなく「淡黄色」をしています。   これは、歯の表面を覆う半透明のエナメル質を通して、内側にある黄色い象牙質が透けて見えるためです。しかし、人それぞれ肌の色が異なるように、歯の色も異なり、また、人種差もあり、一様ではありません。しかし、歯の黄ばみが強かったり、変色が起きている場合は、何らかの原因があるかもしれません。   歯の表面を覆っている唾液の糖タンパク由来のペリクル中のタンパク成分が、(無意識の)口呼吸による歯面の乾燥で残留して、歯が変色します。すなわち、口呼吸による空気の通過する前歯の先端部分や歯の裏側を中心に歯が着色します。   着色汚れが歯の表面にとどまっているのであれば、歯科医院でクリーニングしてもらうだけできれいになります。しかし、着色汚れが歯に染み込んでいる場合や、加齢や遺伝による歯の黄ばみには、薬剤を用いて歯を白くするホワイトニングが効果を発揮するので、歯の色が気になっている人は、一度歯科医に相談してみるとよいでしょう。   歯を白くする方法には、歯の表面を薄く削ってセラミックの板を貼り付ける「ラミネートベニア」という方法もありますが、ホワイトニングは歯を削らないため、ラミネートベニアに比べて歯にかかる負担が少ないという利点があります。   ホワイトニングには、大きく分けて、生きている歯を白くする「オフィスホワイトニング」「ホームホワイトニング」と、神経のない歯を白くする「ウオーキングブリーチ」の3つがあり、これらを併用することもあります。   ●歯科医院で行うオフィスホワイトニング 歯にホワイトニング剤を塗り、特殊な光を当てて活性化させる。1回の治療(1時間前後)である程度白くなるが、希望の白さになるまで数回通院が必要な場合もあります。   ●自宅で行うホームホワイトニング 歯科医院で作成したマウスピースにホワイトニング剤を注入して、1日数時間装着します。2週間ほどかけて、ゆっくりと歯を白くしていきます。白くなるまでに時間はかかりますが、効果は1~2年持続します。   ●無髄歯に対して行うウオーキングブリーチ 通常のホワイトニングでは効果が得られにくい、神経を取った歯(無髄歯)に対して行います。歯の内側にホワイトニング剤を注入し、しばらくたってからホワイトニング剤を取り出します。希望の白さになるまで、ホワイトニング剤を数回交換する場合もあります。 ホワイトニングの後に知覚過敏が起きることがありますが、一時的なものなので心配はいりません。また、ホワイトニングの効果は永久的ではなく、時間がたつと少しずつ黄ばみや変色が起きてきますが、定期的に歯科医院でクリーニングをしたり、再びホワイトニングを行うことで、白さを保つことができます。 歯科用品 歯科用ルーペ   重合器    

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歯並びの乱れが原因の場合は治療を

本来、鼻呼吸で口を閉じているときは舌の先が上顎に軽く触れています。しかし、口呼吸の人は呼吸をしやすいように無意識に舌の位置をずらしたり、常に口を開けていることで舌の位置が下がってしまうことが多いようです。すると歯が舌に押されたり、顎の成長に支障をきたしたりして、歯並びの乱れにつながる恐れがあります。成長期にある子どもの場合は、とくに注意が必要でしょう。   さらに悪いことに、口呼吸中には、重力に対して下顎を安定化させるために、歯を軽く閉じて歯を合わせることになります。しかし、この無意識の口呼吸の持続により、軽く閉じたはずの歯と歯の接触が継続することで、強い過度の噛みしめ(くいしばり)となります。その結果、噛みしめるための筋肉は疲労し、随伴的に、目の疲れ、頭痛、肩こりなどの不定愁訴につながります。   口呼吸の原因として次のようなものが考えられます。   ●アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎などで鼻が詰まっている。 ●鼻腔を仕切る鼻中隔(びちゅうかく)が曲がっている(鼻中隔弯曲症:びちゅうかくわんきょくしょう)など、鼻の構造に問題がある。 ●いわゆる「のどちんこ」の横にある口蓋扁桃(こうがいへんとう)や、鼻の奥にある咽頭扁桃(アデノイド)が肥大して気道が狭くなっている。 ●前歯が出ていて(上顎前突)、口を閉じにくい。 ●口の周りの筋力が低下している。   鼻やのどの病気が原因であれば耳鼻咽喉科、歯並びに問題があれば矯正歯科で治療を受けることで、口呼吸の改善が望めます。   また口呼吸以外にも、加齢やストレス、薬の副作用、糖尿病、腎臓病、シェーグレン症候群(自己免疫疾患の一種)などによって唾液の分泌が減り、口の中が乾くことがあります。まずは医療機関を受診して原因を突き止めましょう。   口呼吸の原因となっている病気の治療が終わったら、意識的に口唇を正しく閉鎖して鼻呼吸をするように心がけましょう。食事の際は口唇を正しく閉じたまま噛むようにします。ガムを噛んで練習するのもよいでしょう。口の周りの筋肉を鍛える器具や訓練の方法を紹介してくれる歯科医院もあるので、かかりつけの歯科医に相談してみてください。 重合器 歯科用拡大鏡 歯医者 鏡    

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口呼吸だと病気になりやすい

口をぽかんと開けて呼吸をしている姿は、見た目の印象がよくないだけでなく、口の中が乾いて細菌が繁殖し、う蝕(虫歯)や歯周病になりやすくなります。鼻やのどの病気、歯並びの乱れが口呼吸を引き起こしていることがあるので、まずは受診して原因を調べましょう。   まずはじめに、次の項目に当てはまるものがあるかどうかチェックしてみてください。   1 気がつくと口がぽかんと開いている。 2唇や口の中が乾燥しやすい。 3 朝起きたときにのどが乾いている、またはのどが痛い。 4いびきをかく。 5食事のときにクチャクチャと音を立てて食べる。   これらの中で一つでも当てはまる人は、無意識のうちに「口呼吸」をしているかもしれません。   人間は鼻でも口でも呼吸をすることができますが、哺乳類の中で口呼吸ができるのは、言葉を話す人間だけとか。本来は人間も、鼻呼吸をするようにできています。   鼻の粘膜には「繊毛(せんもう)」と呼ばれる細かい毛がたくさん生えていて、ほこり、ちり、ウイルス、細菌などの異物が体内へ侵入するのを防ぐフィルターの役目をしています。また、鼻には冷たくて乾燥した空気を暖め、加湿する働きがあります。   ところが口で呼吸をすると、細菌やウイルスなどを含んだ冷たくて乾燥した空気を直接体内へ取り込むことになります。すると、口やのどが乾燥したり、細菌やウイルスによって病気にかかるリスクが高まってしまうのです。ほかにも意外な悪影響があります。   口呼吸は、お口の健康にも悪影響を及ぼします。唾液には口の中を清潔に保ったり、う蝕(虫歯)を予防する働きがあるため、口呼吸によって唾液が蒸発すると唾液による自浄作用が低下し、う蝕(虫歯)や歯周病になりやすくなるほか、口臭の原因にもなります。 歯科用品 歯医者 鏡 双眼 ルーペ    

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歯周病菌で感染性心内膜炎が起こることも

歯周病菌が血液によって運ばれて血管や心臓に達すると、命にかかわる病気が起こることがあります。口腔ケアはお口の健康にとどまらず、全身の健康の源です。   心臓病(心疾患)は、日本人の死因でがんに次いで2番目に多く、平成22年には約19万人が亡くなっています。全死亡者数の約16%を占め、なかでも狭心症や心筋梗塞などの「虚血性心疾患」が原因で亡くなる人が多くなっています。(厚生労働省「平成22年人口動態統計」)。   心臓は、体のすみずみまで血液を送るポンプの役割を果たしています。この心臓に酸素や栄養を供給する血管を冠動脈といい、冠動脈の血流障害によって起こる病気を虚血性心疾患といいます。   虚血性心疾患の大きな原因は動脈硬化です。血管壁にコレステロールなどがたまって、血管が厚く硬くなるのが動脈硬化で、進行すると血液の流れが悪くなったり、血栓(血の塊)ができて血管がふさがることがあります。   狭心症は、冠動脈の動脈硬化が進んで内腔が狭くなり、血流が滞った状態です。心筋に十分な酸素や栄養を供給できずに、胸の痛みや圧迫感などが起こります。発作は通常、数分程度で治まります。   また、心筋梗塞は、血管壁にたまったコレステロールを覆う膜が破れて血栓ができ、冠動脈が完全につまって心筋が壊死してしまう病気です。胸の痛みが30分以上続き、意識を失うこともあります。壊死した心筋は元には戻らず、治療が遅れて壊死が広範囲に及ぶと、心臓の機能が失われて死に至る危険があります。   このように命にかかわる狭心症・心筋梗塞と、歯周病との関連が指摘されています。血流に入り込んだ歯周病関連細菌や炎症性物質が動脈硬化を促進すると考えられているのです。動脈硬化を起こしている血管から歯周病関連細菌が見つかることもあり、しかも、歯周病の症状が重い人のほうが、歯周病関連細菌が心臓の血管にまで達している割合が多いとの報告があります。   歯周病と心臓病との関係に関するメタアナリシスによると、歯周病があると、心臓病を伴うリスクは、15%~37%上昇することが報告されています。さらに、適切な歯周病の治療を行うことで、血管内皮機能の改善効果を示す報告もでてきています。     血液によって運ばれた細菌が心臓の内側の膜(心内膜)や弁膜に感染して、炎症を起こすこともあります。これを「感染性心内膜炎」といい、発熱、心雑音、皮膚や白目の点状出血、関節痛、筋肉痛など、さまざまな症状が起こります。歯周病関連細菌は、感染性心内膜炎を引き起こす細菌の一つです。   感染性心内膜炎はそれほど多い病気ではありませんが、合併症を起こし、命にかかわることもあります。心臓弁膜症や先天性の心臓病がある人などではとくに注意が必要で、口の中を清潔に保つことが大切です。   とはいえ、乱暴にブラッシングするのは逆効果です。歯肉(歯ぐき)が傷つき、傷口から歯周病関連細菌が血液中に侵入しやすくなってしまいます。 歯科用品 歯科用ルーペ 光重合    

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歯の酸蝕症

食品に含まれる酸で歯の表面のエナメル質が溶ける「歯の酸蝕症 酸蝕歯(さんしょくし)」。知らないうちに進行して、知覚過敏の原因になることも。フルーツや酢など、体によいとされる食品にも酸性の強いものがあるため、食べ方を工夫し、正しいケアを行って歯の健康を守りましょう。   「歯の酸蝕症 酸蝕歯」という言葉を聞いたことがありますか? 食品などに含まれる酸によって歯の表面のエナメル質が溶けることをいい、近ごろ話題となっています。   歯の表面のエナメル質は大理石に匹敵するくらい硬くて丈夫な物質ですが、酸に弱いという弱点があります。口の中にいるう蝕(虫歯)の原因菌は、食品に含まれる糖を栄養にして酸を作り出し、歯のエナメル質を溶かします。これが「脱灰(だっかい)」で、脱灰が進むと歯に穴が開き、本格的なう蝕(虫歯)になってしまいます。   う蝕(虫歯)になるのを防ぐのに大きな役割を果たしているのが、唾液です。エナメル質の主成分はアパタイトという物質で、主にリン酸とカルシウムからできています。唾液には口の中を中性に保つとともに、リン酸とカルシウムを補充し、溶けたエナメル質を修復する「再石灰化」の働きがあります。絶えず脱灰と再石灰化を繰り返すことで、歯の健康が保たれているのです。   「歯の酸蝕症 酸蝕歯」では、う蝕(虫歯)の原因菌とは関係なく、各種の化学物質によりエナメル質が脱灰侵蝕されます。以前は、強酸を扱う職業に従事する方が罹患していましたが、職場環境の改善でほとんどなくなりました。しかし、最近では、かんきつ類、果実飲料、炭酸飲料、スポーツ飲料などpH(ペーハー)の低い飲料を日常生活で頻繁に摂取したりすることによる酸蝕歯が増えてきています。   食品に含まれる酸に触れるのが頻繁だったり、時間が長かったりすると、唾液による再石灰化が間に合わず、脱灰が進んでしまいます。さらに、酸によってエナメル質が一時的にやわらかくなっているため、酸性の強い食品をとった直後に歯を磨くとエナメル質が傷つきやすくなります。   歯の表面のエナメル質が侵食されて完全になくなってしまうと、歯の内部の象牙質が露出すると、耐酸性が低いため急速に進行し、冷たいものがしみる「知覚過敏」の原因になります。また、歯の黄ばみが強くなったり、歯の先端が透けて見えたりすることもあります。 重合器 歯科重合用光照射器   led光重合器        

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食後は水で口をゆすぎ

酸性の強い食品というと、レモンやオレンジ、グレープフルーツなどのかんきつ類や、酢などの酸っぱい食品を真っ先に思い浮かべる人が多いかもしれません。もちろんこれらの食品や、これらを使ったジュースやドレッシングなども酸蝕歯の原因となりますが、炭酸飲料やスポーツドリンク、ワイン、ビール、しょうゆなども、商品によっては酸性が強いので、そのような飲料を日常的に飲む生活習慣を改める必要があります。また、摂食障害である神経性食思不振症(過食症、拒食症)で嘔吐を繰り返すと、強酸性の胃液(pH1.0~2.0)が原因で酸蝕歯になることもあります。   例えば、朝食にオレンジを食べてビタミン補給、昼食に酢の物を食べ、仕事帰りにスポーツジムでひと汗かいてスポーツドリンクで水分補給、夕食は野菜サラダにドレッシングをかけて、食後にくつろぎながらワインを1杯――。このような何気ない生活のなかでも、歯が酸にさらされる機会は意外と多いのです。   酸蝕歯は年齢に関係なく、どんな人でもなる可能性がありますが、乳歯は永久歯に比べてエナメル質がやわらかいため、子どもは酸蝕歯のリスクがより高いといえます。フルーツや酢など、酸性の強い食品には体によいものもあります。食べるのを控えるのではなく、正しいとり方や対処法を知っておきましょう。   まずは、酸性の強い食品をダラダラととり続けないこと。また先に述べたように、酸性の強い食品をとった直後は、歯の表面のエナメル質がやわらかくなっています。食事の後は水やお茶で口をゆすいで酸を洗い流しましょう。そして、口の中に残った酸を唾液が中和してくれるのを待ち、30分くらいたってから歯を磨くようにするとよいでしょう。   睡眠中は唾液が出にくいため、酸の影響を受けやすくなります。就寝前には、特にていねいに歯を磨くようにしましょう。ただし、強い力でゴシゴシと磨くと歯が磨耗したり、歯肉(歯ぐき)を傷つける恐れがあります。歯ブラシは優しく、小刻みに動かすようにしてください。   重合器 歯科用ルーペ 光重合    

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